目が覚めたのは薄暗い路地裏だった
死ぬ前までの怪我は跡形もなく消え去り、体は軽い
だが路地裏から出ても、太陽は一向に視界に入らない
ここは、“ 地下街 ”と言う場所らしい
ここで過ごして分かったことは
圧倒的実力主義だということ
そして文明の発達が遅いということ
この実力主義の地下街で、女である“ 事実 ”
それは狙われやすくなる理由に直結する
だから髪は切ったし一人称も自然と“ 俺 ”に変わった
まぁそれでも目に包帯してる白髪なんて注目の対象だ
俺の目の前で伸びてる大人6人を見下す
そんなつまらない日々が続いた
でもある日——————————————— ・・・
あぁ…やっぱり私はイカれてる
背後から漂う“ 圧倒的強者 ”の気配に
思わず口角が上がったのが分かった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!