第12話

名探偵 蒼
112
2018/03/25 00:10
私は人がいない所で泣き崩れた。
1枚しかない、大切な写真。
私が3歳ぐらいの時に亡くなったお父さんとの写真
私の家が好きで片親って訳では無い
交通事故で亡くなっている。
しかも事故に巻き込まれて。
顔を覚えてない、お父さんとのたった1枚の、私にとって宝物だった。
恋羽
グスン…グスン…
普段は弱みを見せなかった。
もう心配されたくない。
みんなを巻き込みたくない。
恋羽
だけどグスンだけど…
こんなのもう無理だよ
なんで大切なものを奪われなければいけないのか
いや、それが目的かもしれない
でも
恋羽
そんなのサイテーだよ…
ピロリン
恋羽
…LINE?
蒼からだった。
見つかったぞ!
どこにいるんだ?
恋羽
ありがとう…
恋羽
ありがとう
恋羽
ありがとう!!!!
そう言いながら文字を打った
嬉しくて、今度は誰にも聞こえない声の大きさで泣いた。
数分たった頃
恋羽…
これ
恋羽
ありがとう😁
ありがとうじゃないだろ?
びちょびちょに濡れてる…
きっと捨てる前にあいつが水をかけたんだ
恋羽
大丈夫だよ!
恋羽
だってお母さんとお父さんとの顔は見えてるんだから!
恋羽
乾かしたら大丈夫!
樹広
そんなことないだろ?
恋羽
え…
樹広
無理するなよ
そう言って樹広は立ち去った
本当は泣いてるだろ?
恋羽
うううん!大丈夫だってばw
辛いことがあったらなんでも言えよ
恋羽
うん!

プリ小説オーディオドラマ