私は人がいない所で泣き崩れた。
1枚しかない、大切な写真。
私が3歳ぐらいの時に亡くなったお父さんとの写真
私の家が好きで片親って訳では無い
交通事故で亡くなっている。
しかも事故に巻き込まれて。
顔を覚えてない、お父さんとのたった1枚の、私にとって宝物だった。
普段は弱みを見せなかった。
もう心配されたくない。
みんなを巻き込みたくない。
こんなのもう無理だよ
なんで大切なものを奪われなければいけないのか
いや、それが目的かもしれない
でも
ピロリン
蒼からだった。
そう言いながら文字を打った
嬉しくて、今度は誰にも聞こえない声の大きさで泣いた。
数分たった頃
そう言って樹広は立ち去った
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。