『 わぁ … 美味しそう … 』
白いテーブルクロスの上には鉄板の上に乗った美味しそうなステーキが置いてあり 、 幼女は初めて見たステーキに目を輝かせた 。
「 アンジュにナイフはまだ早い 。 カノン 、 食べやすいように切ってやれ 」
目を輝かせる幼女を見ると 、 安心したような様子で幼女の隣に立つメイドに言った 。
「 御意 。 アンジュ様 、 お肉は私が切りますので切れたものを食べてくださいね 」
カノンは慣れた様子で幼女の小さな口でも入る位にお肉を切った 。
『 これ … 食べていいの ? 』
私何かが食べていいものかとカノンを見る幼女にカノンはフォークを渡しながら優しい言葉を述べた 。
「 これはアンジュ様の為に用意したものです 。
お肉も私達も食べてくれると嬉しいです 」
幼女はフォークを受けると 、 小さな手でギュッとフォークを持ちお肉に刺して食べた 。
「 どうですか ? 熱くないですか ? 」
『 うん 。 とっても美味しい !! 』
産まれてから一度も食べたことのないお肉は少女にとってとても魅力的な食べ物だった 。
自分のことを気遣い用意されたお肉は今まで食べたどの食材よりも美味しく 、 天使は城に来て一番の笑顔を見せるとあっという間にお肉を食べてしまった 。
幸せそうに食べる天使の姿に主も執事もメイドも全員が幸せな気持ちになった 。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!