第10話

8話
3,802
2022/08/26 10:09
____ッ、たの … 





____たの …、せ …、だ





____あ …、の …、せい …ッ











____あんたのせいだ
早乙女 あなた .
ッはッ … 、
早乙女 あなた .
ッはぁ …、はぁッ …、
早乙女 あなた .
はぁ …、夢 …ッ、か
汗が、涙が流れる



何度も見たこの夢



何回も聞いたこの声





何度も何回も溢れる、涙
早乙女 あなた .
そうだった、私


梵天のアジトに住んで …
三途 春千夜 .
おいあなたのコードネーム
早乙女 あなた .
… はい、
三途 春千夜 .
入るぞ

そう言ってドアを開けて入ってくる三途さん


もうスーツに着替えていて、髪もセットしていた




あれ、今って
三途 春千夜 .
もう11時だぞ。何時まで寝てやがんだテメェ
早乙女 あなた .
… もう、そんな時間か … 。
ブーブーとなり続ける私のスマホ


資料の代わりに、スマホに今日の依頼内容が来ているんだと悟る
三途 春千夜 .
… お前、
三途 春千夜 .
泣いてたのか?
早乙女 あなた .
… 別に。目薬です
三途 春千夜 .
… そうかよ。
三途 春千夜 .
準備が終わったら階段降りて右に進んでけ
三途 春千夜 .
蘭がいるから
あぁ、昨日の …


「ありがとうございます」とだけ言うと三途さんは部屋から出ていく





危なかった …、昼とはいえカーテンを閉めていた部屋は薄暗い。


目薬で誤魔化せて良かった。







まだバレる訳には行かないから
早乙女 あなた .
… シャワー浴びよう
スマホの通知を確認したあと


シャワー室へ向かい、シャワーを浴びて、髪を乾かして、いつもの服を着て


部屋を出た。
早乙女 あなた .
… 昨日はあんなことになってたからよく見てなかったけど、この階段。綺麗だな
反社特有の金ピカな螺旋階段


少し憧れていた



コツ、コツとヒールが音を鳴らす



階段をおりて右をむくと、壁によりかかっていた蘭さんがいた
灰谷 蘭 .
… はよ、
早乙女 あなた .
え …、?
あ、お、おはようございます …
灰谷 蘭 .
おせえんだよ。早く行くぞ
何も聞くな何も喋るな。癪に障るから
灰谷 蘭 .
黙って着いてこい
早乙女 あなた .
そう言い終わった蘭さんは歩き始めた



「おはよう」そう言ってくれた事が少し嬉しく感じてしまった。

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