____ッ、たの …
____たの …、せ …、だ
____あ …、の …、せい …ッ
____あんたのせいだ
汗が、涙が流れる
何度も見たこの夢
何回も聞いたこの声
何度も何回も溢れる、涙
そうだった、私
梵天のアジトに住んで …
そう言ってドアを開けて入ってくる三途さん
もうスーツに着替えていて、髪もセットしていた
あれ、今って
ブーブーとなり続ける私のスマホ
資料の代わりに、スマホに今日の依頼内容が来ているんだと悟る
あぁ、昨日の …
「ありがとうございます」とだけ言うと三途さんは部屋から出ていく
危なかった …、昼とはいえカーテンを閉めていた部屋は薄暗い。
目薬で誤魔化せて良かった。
まだバレる訳には行かないから
スマホの通知を確認したあと
シャワー室へ向かい、シャワーを浴びて、髪を乾かして、いつもの服を着て
部屋を出た。
反社特有の金ピカな螺旋階段
少し憧れていた
コツ、コツとヒールが音を鳴らす
階段をおりて右をむくと、壁によりかかっていた蘭さんがいた
そう言い終わった蘭さんは歩き始めた
「おはよう」そう言ってくれた事が少し嬉しく感じてしまった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。