前の話
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冷え込んだ夜
朝よりも一層寒い。
今日は雲一つない綺麗な夜だ
息を吐く度白い煙が出る
コツコツとヒールの歩く音が聞こえる
「ん…流石にヒールで来ない方が良かったかな……今度から普通の靴履いてこよ…」
カチャカチャと物音を立て、鍵を出し
ドアを開ける
「ただいまーって、…誰もいないけどねぇ〜…犬…以外は、って…(なんで来ないんだろ…いつもならドア開けた瞬間に飛び出て来るはずなのに、…まさか…)」
あなたは飼い犬が苦しそうな姿でうずくまってる、飼い犬が頭に一瞬過ぎった
「ルア!!!っ……………って…ぇ…っ」
「……あっ!!ご主人様!!!!」
ぱぁぁぁっと喜ぶ誰か
「ふ、…不審者っ…っ、あ、そ、そうだっ…警察…っぁ誰かぁ…」
バタリと、持っていた荷物を落とし 倒れ込むあなた
そうすると驚いた顔を一瞬してすぐに心配そうにこう言った
「だ、大丈夫ですか!?ご主人様!!」
「っ、!!貴方っ……一体誰よっ…!!」
「えっ…俺は…………ルアですよ!!分からないんですか…?」
本当に悲しそうな顔で見つめるルア
「えっ…でも…そんなはず…」
「ほんとですよ!!」
あなたは周りを確認して、飼い犬のルアが居ないことに気づき、渋々納得した
「……わかったわ…取り敢えず…………服を着なさい」
今、飼い犬のルアはもちろん素っ裸なのだ
「?」
「……っと言っても……服が……んぅ……
あっ、そうだあったじゃない、元彼のが。
捨てきれてなかったのよねぇ、捨ててなくてよかったぁ〜」
「ご、ご主人様…?どこに行かれるのですか…」
「ん、あぁ、ルアの服を取りに行くのよ、ちょっと待ってなさい」
「!!はいっ!」
ガサコソ……
「んぅ……えっと………こ、れ…っと、あったあった、…………着れるかな…ルア…見る限り180cm位はあったよね……たっか……」
「よし、はいこれ、着れる?」
「………着れますが…パツパツですし…なんか………ゴワゴワ…します…っ…ぅっ気持ち悪いです!」
「うーん…そう言っても…慣れるしかないよねぇ…、頑張って、ルア!」
「分かりましたっ!」
「よし、明日、服買いに行くか…………」
「?」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。