そらるside
動揺したのか、柄にも合わず堅物さんは走り去ってしまった。
あなたは、天月の言っていること全てを理解しているわけでは無さそうだった。
ただ、何かに気づいてはいた。
あの時の真相………
天月はそう言っていた。
あの時の事は、あなたが原因じゃないのか………?
考えれば考えるほど分からなくなる。
天月は何を知ってるんだ?
分からない自分にイラついて
髪の毛をくしゃくしゃと掻く。
でも、イライラしていても仕方がない。
今は、分かっていることを家で整理しよう。
そうすれば、何か分かるかもしれない。
まるで推理ゲーだな。
推理ゲームの主人公は、
こんなにももどかしい気持ちで毎回いるのだろうか?
なんて独り言をいっていると、
まふまふの驚いたような声が保健室に響いた。
カーテンを開けて、
まふまふに話しかける。
………?
声が裏返ってる。………何かあったのか?
………目をそらしてる。…何か隠してるな。
まふまふは、小さい頃から隠し事があると目をそらす癖がある。
少し乱暴に誤魔化された気もするけど……
まぁいいか。別に。
でも、まふまふがそこまでして隠したいものって何だ……?
そう思いながら、俺はまふまふと二人、家に帰った。
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今、気づいたんですけど
『恋愛事情』って書いてあるわりには
恋愛要素全然無いような………?
………い、いや。後で恋愛要素入るので大丈夫です!
……たぶん。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!