河村さんが部屋に入ってきながら言った。
パソコンに向かって編集をしていたとむさんが答える。
お茶を注いで、私の向かいのソファーに腰掛ける。
スマホを取り出すと電話を掛け出した。
スマホをしまう。
一方の私はというと、お昼休憩の時からずっと、オフィスに置いてあった日本史の本を読んでいた。
本を脇に置いて、お茶を汲む。
とむさんがデスクから言う。
すごく嬉しい。ワクワクする。
夜ご飯の後。
“こっち“に来た日の夜と同じように、シャワーを浴びている問ちゃん以外で大部屋に集まって、フリバをすることになった。
河村さんがあなたにも早押しボタンを渡す。
伊沢さんが周りを見回しながら言う。
カチッ ピコピコピコン
カチッ ピコピコピコン
カチッ ピコピコピコン
カチッ ピコピコピコン
カチッ ピコピコピコン
順番にボタンを押していく。
あなたはワクワクした顔でボタンを押し、正解音が鳴るとぱっと顔を輝かせた。……かわいい。
その時、問ちゃんが小走りで部屋に入って来た。
一同、ボタンを構える。
ピコーン
何人かボタンを押したみたいだけど、ランプが光っているのはあなたのだ。
ピコピコピコーン
あなたはニコニコしている。かわいい。
……というか、確かに押すのが早い。
問ちゃんが言ってた通り、クイズ強いのかな?
ピコーン
今度は須貝さんのボタンのランプが点いている。
ピコピコピコーン
しばらくクイズを続けるうちにあなたと他の4人の点差が開いてきた。
僕も早押しボタンを構える。
ピコーン
いい押しだったと思ったけど、点いているのは僕のボタンじゃなくてあなたのボタン。
ピコピコピコーン
ピコーン
ピコピコピコーン
1時間ほど後。
悔しそうな表情から一転、照れ笑いを浮かべるあなた。……かわいい。
伊沢さんが部屋から出て行く。
フリバが終わった後の寂しい感じと相まって、なんだか少し切ない気持ちになる。
※ 小説中のクイズはQuizKnockの動画やみんはやで出題されたものを使わせていただきました。