第2話

友達1号!? おバカじゃダメなの!?
69
2021/02/17 15:01
高校生活が始まった訳なのですが...なぜかモテない!
私の何がいけないんだろう...。こんなに完璧(?)におバカちゃんを演じているのに...!しかも、友達もできない。なんで!?
中学の時モテてたあの子は友達も沢山いたのに...なんで私は友達もいないの!?
...っていうか、私そもそも今まで友達もいたことないかも...いや、さすがに一人くらいはいたかな?うーん...
そんなことを考えていたとき、いきなり後ろから誰かにぶつかられた。
結愛
結愛
っ!?
莉穂
莉穂
わわっ、ごめんなさい!机の足につまずいちゃって...
すごい元気系の女の子だ。
結愛
結愛
全然大丈夫だよっ
莉穂
莉穂
ホントごめんねぇ...えっと、七瀬結愛ななせゆあちゃんだっけ。私、天馬莉穂てんまりほ!突然だけどさ、友達になって欲しいんだ!
結愛
結愛
ふぇ?
いやいや、ちょっと待って!?いくらなんでも突然すぎじゃない!?
え、でもこれが普通なのかな。え、え、え!?
莉穂
莉穂
ごめん、急すぎたよね。私友達いなくて...。失礼なこと言っちゃうけど、七瀬さんもボッチみたいだったから...
グサッ

いやいや、「失礼なこと言っちゃうけど」って言ったら何でもいって言いの!?普通に傷ついたよ!?
...でも、これは友達を作れるチャンスかもしれない。すっごい失礼だけどね!?
結愛
結愛
ううん。私も天馬さんとお友達になりたいなっ
よろしくね!
莉穂
莉穂
わぁっ!やったぁ!結愛って呼んでもいい!?可愛い名前だよね!!
私のことは莉穂でいいよ~
可愛い名前だなんて、初めて言われた。
私のこの名前は、昔、私が生まれる前、私のお姉ちゃんになるはずだった赤ん坊につけられた名前だった。でも、その赤ん坊は生まれてすぐに亡くなった。つまり、私はその赤ん坊の代わりとして育てられたのだ。親戚からは、不吉な名前だって言われた。両親からは、「前の子のこと思い出しちゃうじゃない。こんな名前つけなきゃ良かった」って言われた。私がつけたくてつけたんじゃないのに。両親が勝手につけただけなのに。だから私はこの名前が大嫌いだった。でも、莉穂の言葉で、少し気持ちが軽くなった。
結愛
結愛
...ありがとう、莉穂っ!
莉穂のことを大切にしたい。そう思った。
そんな感動があった後、私は地獄に連れられた。
私は英語の授業で、見事なおバカっぷりを見せたわけですよ。そしたらですね、入学式の新入生代表の男の子がこちらにガンを飛ばしてきてですね...。
しかも今、悲しいことに裏庭で問い詰められているんですね、はい。
昴
お前、なんで英語できないフリしてんの。
結愛
結愛
は、はい?いや、私は元々お勉強苦手なんですよぉ、オホホホホ。
昴
嘘をつくな。俺は見たんだぞ、入学式の日の朝、お前が外国人に道案内をしているところを...!
結愛
結愛
えぇ?き、きっと人違いですよぉ。私、そんなに英語得意じゃないですよ??
昴
人違い?そんなわけないだろ。俺の視力は両方2.0だ。しかも自慢じゃないが俺は記憶力が良い。教科書の内容一語一句全て言えるぞ?The...
結愛
結愛
わーわー!いいよ、大丈夫!確かに外国人に道案内をしてた。でも、あれはその...ほら、身ぶり手振りとかで?で○わイングリッシュみたいな感じで!
昴
そうか?俺にははっきり聞こえたぞ?ちゃんとした英語だった。
この人聴力も長けてるのか!怖いわっ
結愛
結愛
あああ!もう!わかりましたよ!確かにあれは私で、英語しゃべってました!
でも、あれはたまたま前の日の英語の番組でそれをやってたからで、実際は全然できないんです!っていうか、なんでそんなに探るんですか!?
前半は全部嘘だけど!!でも、本当になんでこの人こんなに問い詰めるんだろ?
昴
なぜ探るか?だって、授業とかでバカやってるやつに英語力抜かされてるとか俺のプライドが傷つく!本当はできるのにバカを演じているなんて、ちゃんとやってる俺をなめてるみたいじゃないか!それに...
その男の子は目をカッと見開いた。
昴
俺は、バカが大嫌いなんだっ!
結愛
結愛
え...
昴
賢いやつまでバカになったら...俺の大嫌いなバカが増えるじゃないか!
あぁ、考えただけで吐き気がする。...ウップ
ガーン

おバカって、嫌われるの!?
いや、でも待てよ。あの時はおバカな子がめちゃくちゃモテてた。
え、何、どういうこと!?
昴
とにかく!俺が言いたいのは、ちゃんとやれるならちゃんとやれってこと!
そう言ってその子はどこかへ行ってしまった。


...結局、どうすればモテるんだ!?

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