第4話

初友の家にレッツラゴー!?
26
2021/02/20 10:16
今日は私の友達、
天馬莉穂てんまりほの家に来ている。
莉穂の家は高級住宅街の端っこにある。
…とにかく家が大きい。
私そもそもマンションだし…
ちょっとだけ…いや、だいぶ憧れる。
結愛
結愛
お邪魔しま〜す
莉穂
莉穂
うんっ!!上がって上がって〜
私は洗面台で手を洗ってリビングへと向かう。
結愛
結愛
莉穂の家広いねぇ〜
莉穂
莉穂
ふふふ〜
ありがとぉ〜
莉穂が顔を少し赤らめる。
友達の家に行ったはいいけど、
何をすれば良いんだろう…
莉穂
莉穂
結愛〜
飲み物、アイスレモンティーとジンジャエールあるけど、どっちがいい?
結愛
結愛
じゃあアイスレモンティーで!!
莉穂
莉穂
りょ〜かいっ
莉穂がレモンティーの入ったグラスを二つ持ってくる。
莉穂
莉穂
結愛〜恋バナしない?
また唐突に…😅
恋バナかぁ…そういうのしたことないなぁ
結愛
結愛
いいよ〜
莉穂は好きな人いるの??
莉穂
莉穂
実は、いるんだよね
結愛
結愛
え!?誰々??
莉穂
莉穂
結愛は知らないかもだけど、
お兄ちゃんの親友の、
水野浩介みずのこうすけっていう人が好きなの。
莉穂がそう私の耳に囁く。
結愛
結愛
そうなんだぁ!!カッコイイの?
莉穂
莉穂
うん!!すっごいカッコよくて優しいんだぁ〜
結愛
結愛
へぇ〜いいねぇ〜
莉穂
莉穂
うん!!
結愛はいないの?好きな人とか
好きな人かぁ…
結愛
結愛
いないんだよなぁ〜
そもそも身近な人に男の子少ないし…
莉穂
莉穂
そうなのねぇ…
そう言っていた時、玄関のドアがガチャっと開いた。
???
ただいま〜
莉穂
莉穂
あっ!お兄ちゃんお帰り〜
???
お邪魔しま〜すぅ
莉穂のお兄さんとは別の声が聞こえた。
莉穂
莉穂
こうちゃんも来てるの!?
莉穂が顔を赤らめる。
「こうちゃん」って…莉穂の好きな人のことかな
恭
莉穂、今日は浩介も来てて…ん?
莉穂のお兄さんが私に目を向けた。
結愛
結愛
あっ、どうも、お邪魔してます
私はぺこりと頭を下げる。
浩介
浩介
莉穂のお友達??
浩介さんが私に微笑む。
結愛
結愛
はいっ
莉穂
莉穂
いいでしょー😁
莉穂が私に抱きつく。
恭
ふーん。あのボッチだった莉穂がなぁ…
そう言って莉穂のお兄さんは優しい顔をして莉穂の頭をなでる。

いいなぁ、莉穂は。家に帰ったら優しい人が待っている。
けど、私は…
莉穂
莉穂
結愛?どうかした??
結愛
結愛
あ、ううん。なんでもないよ〜
私は慌てて笑顔を作る。
浩介
浩介
そーだ!!四人もいるしさ、皆でゲームしない??
定番はマリカだけど…
莉穂
莉穂
いいね!!
マリカかぁ…小さい頃、よくお隣さんの相澤怜央あいざわれおとやってたなぁ〜
私はいつも家でひとりだったため、よく怜央の所へ行って遊んでいた。
でも最近は行ってないな。
結愛
結愛
マリカ久しぶりにやるなぁ〜
恭
へぇ。俺らはほぼ毎日やってるよな
莉穂
莉穂
うん!!
でも、手加減はしないからねっ
結愛
結愛
ふふっ、望むところだ!!w
その後何回もやって、時間がどんどん経っていった。
莉穂
莉穂
あっ!!もうこんな時間!!結愛、そろそろ帰らなきゃじゃない??
結愛
結愛
ホントだ。まぁ、でも特に制限ないから大丈夫だよ〜
私の両親は私に全く興味がない。

中学の時、私は一回何日か無断で家に帰らなかったことがある。公園で何日も過ごした。
でも、それでも両親は連絡もしてこなかった。
親に見捨てられたんだな、と分かった。
元々いつも殴られたり蹴られたりしてたからわかっていたけど、今回は確信した。

中学の頃はリスカや自殺行為を沢山していた。

自分を好いてくれる人は誰もいないから。

でも、今はこうして、そばに居てくれる人がいる。
それが本当に嬉しかった。

ここにずっといたい、なんて思ってしまった。
結愛
結愛
まぁ、もう遅いし、そろそろ帰ろっかな。
莉穂
莉穂
うんっ
今日はありがとね!!凄い楽しかった!!
結愛
結愛
私もすっごい楽しかったよ☺️
ありがとねっ!!
莉穂
莉穂
今度結愛の家にも行ってみたいなぁ〜
結愛
結愛
あっ…まぁ…そうだね!!(ニコッ)
私の家になんて楽しい物は何もない。
あるのは、寂しさだけ。
恭
じゃあ俺送ってくよ。もう暗いしね。
莉穂
莉穂
じゃあ私も…
恭
いや、莉穂はいいよ。めんどくさいし。
莉穂
莉穂
何それ〜😤


そういうことで、駅まで莉穂のお兄さんに送って貰うことになった。
結愛
結愛
えっと、送ってくれてありがとうございます、お兄さん。
恭
敬語なし。恭でいいよ。
こちらこそありがとね、妹と仲良くしてくれて。
結愛
結愛
いえ、こちらこそだよ〜
恭
莉穂は俺のせいで友達出来なかったんだよね。
結愛
結愛
恭
俺さ、喧嘩好きなんだよね。
ほぼ毎日喧嘩してて。そのせいで多分莉穂に誰も近寄らないんだと思う。
結愛
結愛
…恭くんのせいじゃないと思う。
だって、私別に誰かが関係してなくてもずっと独りだったし。
それに、莉穂は凄い良い子だと思う。
親しみやすいし、優しいし。
恭
…ツ…そっか。ありがとね、結愛ちゃん。
そう言って恭くんが私の頭をなでる。
これは癖…なのかな。
恭
あと、ちょっと聞きたいんだけどさ。
結愛ちゃん、…リスカしてる??
結愛
結愛
ツ…い、いや…
すると恭くんが私のうでを掴んで袖をまくる。
恭
…これ何。
結愛
結愛
……
私の腕には沢山のリスカの跡。
今でも時々やってしまう。
恭
…結愛ちゃん、
結愛
結愛
……
何も言えなかった。唇を噛む。

すると、恭くんが無言で私の頭を撫でた。

その暖かい手に安心したのか、涙が出てくる。
結愛
結愛
あ、あれ、なんでだろ…
すると恭くんが私の涙を親指でぬぐった。
恭
…辛かったんだろ。
それからは私達は無言で駅に向かった。
隣を歩く恭くんの姿がとても暖かく見えた。






作者㌥🍣
作者㌥🍣
読んでいただき、ありがとうございます!!
今回は莉穂ちゃんの家に行ったいみたいです。
結愛ちゃんの暗い過去…ちょっと暗すぎかな…とも思ったんですけど、こっちの方が結愛ちゃんがモテたかった理由がわかりやすいかな、と思ってそのまま通しました!!🙏
♥️&⭐&コメント待ってます!!🙌

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