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第14話

嫌われ→愛され2
403
2022/01/10 06:05
影野シノブ
エルナ様がいなくなってから数日、あれから学園には何事もない日常が訪れている。
今日も私は寮の見回りをしている。
影野シノブ
異常ない…か…ん?
ある部屋の前で私の足は止まった。
影野シノブ
ここって確か…
その部屋は学園マフィアの蛇山チアキの部屋の前だった。
何故か彼の部屋は私ですら感じるほどの寒さがあった。
いくら暑いからといって良くないと思った私は冷たい扉をノックした。
影野シノブ
おい。冷房が強すぎるぞ。もう少し上げたらどうだ
しかし、返事はなかった。私は少しイラつき、扉を強めに叩いた。
影野シノブ
おい!!聞いているのか!?
歌奈蛇 ハヤ
歌奈蛇 ハヤ
……ケテ…
そのとき、微かだったが中から声がした。
影野シノブ
えっ?
私は焦りを感じ、もう一度扉を強く叩いた。
ドンドンドンドンドンドン!!
影野シノブ
蛇山チアキ!!聞こえるか!?返事をしろ!!
歌奈蛇 ハヤ
歌奈蛇 ハヤ
……チア、キ…
蛇山チアキ
蛇山チアキ
ハァ…フゥッ…
今度は苦しそうな声が聞こえた。私は嫌な予感を察し
急いで持っていた鍵で扉を開けた。
ガチャッ
中を見た瞬間、私は固まった。
影野シノブ
な、なんだ…これ…
部屋中は冷房がガンガンついているせいで冷えきっていて今にも雪が降りそうな部屋だった。そして扉の前には薄着で横たわっている歌奈蛇ハヤと抱え込みながら目を見開いて口を手で塞ぎ、歌奈蛇ハヤと自分の服をギュッと握っていて凍りかけている蛇山チアキの姿があった。
影野シノブ
蛇山チアキ!!歌奈蛇ハヤ!!
大丈夫か!?しっかりしろ!!
蛇山チアキ
蛇山チアキ
ハァ…ハァ…
歌奈蛇 ハヤ
歌奈蛇 ハヤ
………
急いで人体を起こすととんでもない冷えが伝わってきた。それはまるで冷蔵庫に入れられているんじゃないかってぐらいに冷たかった。
影野シノブ
何があったんだ!服もビショビショだし…
と、とりあえず着替えさせないと…
私は急いで彼らを着替えさせてベッドに運んだ。
影野シノブ
それにしても…何故こんなことに…
とにかく、エアコンを消さなくては…
私は至る所を探したがリモコンは見当たらなかった。
影野シノブ
とすれば残りは…
エアコンの上という発想が出てきた。
影野シノブ
悪いが、机を借りるな
そう言って私は机に登り、エアコンの上を見た。
影野シノブ
やっぱり…あった。でも何故こんな所に…
私は急いでエアコンを止め、少し熱いお湯を持ってきた。そしてそのお湯でタオルを濡らし、蛇山チアキと歌奈蛇ハヤの凍っている部分に当てることにした。
ジュゥゥゥゥゥ!!
蛇山チアキ
蛇山チアキ
あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛っ!!
歌奈蛇 ハヤ
歌奈蛇 ハヤ
う゛わ゛ぁ゛っ!!
勢いよく氷が溶けたせいなのか私が当てた皮膚には火傷のように赤くなっていた。
影野シノブ
くそっ…仕方がないが…暖房をつけるしか…
そして私は暖房を付けた。
影野シノブ
っ…夏なだけあってやはり暑い…
そう言って私は上の学ランを脱ぎ、ワイシャツだけになった。
影野シノブ
ん…これは…?
私はふと蛇山チアキと歌奈蛇ハヤの腕に目をやった。
影野シノブ
っ…!!これっ…折れてるじゃないかっ…!!
そこには痛々しい腫れ方をした二人の腕があった。
私は急いで手当てをし、様子を伺った。
蛇山チアキ
蛇山チアキ
ふぅっ…はぁっ…
歌奈蛇 ハヤ
歌奈蛇 ハヤ
っ……ん…
しばらくすると氷が溶けてきた。
蛇山チアキ
蛇山チアキ
ん…あれ…?僕…
歌奈蛇 ハヤ
歌奈蛇 ハヤ
………?
影野シノブ
っ…ハァッ…ハァッ…

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