てひょんside
あなた特製のタッカルビを食べて、準備をした
久しぶりに二人で過ごす休日
台無しにはできない
そう思うと、より一層力が入った
どこに連れていこう
そう考えると真っ先に浮かんだのは
海が見える故郷の丘だった
前を見ると海が、後ろを向くと綺麗な花畑が見える丘
そこは、あなたと俺の全てが始まった場所
俺たちの大切な思い出の場所
出会ってからずっと忘れたことがない
そんな場所だった
そこに、連れていこう
それしか浮かばなかった
服を選んで、着替えた
そして、部屋の引き出しの奥に入れておいた箱を手に取る
あなたに渡そうと買っておいたプレゼント
それをコートのポケットに入れた
まだ、家を出てもいないのに興奮がおさまらない
ドキドキした胸を抑えてあなたの部屋に行った
俺は、そっと開いてあるドアに寄りかかってあなたの服選びを眺めてた
しばらくして、俺が声をかけると
なんて言うから、俺はあえて選ばずに
あなたに任せることにした
ここで俺が選んでしまったら、せっかく可愛いくコーデしたあなたを知ってしまうことになる
それは、俺が許せない
出かけるときの楽しみが1つ減ってしまう
そう言って、あなたの部屋を出た
リビングのソファーにどっっと座り、スマホを開いて待ってた
何十分か経つと
後ろからあなたの声が聞こえて、振り返ると
肩を出した服を来たあなたがいた
あなたがそう聞いてくるけど、
俺はまさかのあなたのコーデに、思考がストップしてしまってた
肩出しを着るあなたを驚きを隠せないでいると
なんて言って悲しい顔をして、部屋に戻ろうとした
俺は、あなたの手首を掴んで引き留めた
嘘だ
はっきりとそう思った
あなたは、無理して笑って今にも泣きそうな顔をしてる
その顔を見たら、たまらなくなって
あなたを抱き締めた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。