りゅーが……りゅーが……
私は必死に叫ぶ。
誰か、誰か救急車を呼んでください
私の手は、りゅーがの血だらけ。
チョコレートの入った箱も、手紙も。
ねぇ、まだ私、君に言いたい想いがあるのに
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りゅーが が死んだ。
目の前で。トラックにひかれて。
運転手は、飲酒をしていたらしい。
りゅーが は、死なないんだと思っていた。
不死身で、最強で、そんなんだと思ってた。
りゅーが の手を握る。
いろんな思い出が蘇る。
初めてあった日。
授業中にふざけたこと。
お昼に2人で抜けだしたこと。
ピアノを弾いたこと。
君の口笛。歌声。
雪が降った日のこと。
思い出すのは全部、その時の君の横顔。
『 りゅーが、 大好きだよ。 』
私の横で、あなたは私をどう見てた?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!