第5話

お祭りデート
106
2018/01/31 14:07
慣れない浴衣と髪型で、騒ぐ町中を歩く

もちろん、イヤホンをつけて。

斗真
斗真
あんず!
あんず
あんず
ごめん。待った?
斗真
斗真
ううん。
今来たとこだよ
無邪気な笑顔。  

斗真の浴衣姿は、モデルさんみたいだった。

斗真
斗真
…その髪型////
あんず
あんず
え、あ。 
ちょっと巻いて、上にあげてみたの。
……変?かな
斗真
斗真
いや。ううん 
…似合ってるよ ///
あんず
あんず
あ、ありがとう //
じゃあ、行こっか。
そう言うと、手が触れる。

私は握ってみる。

斗真が軽く握り返したのがわかる。
あんず
あんず
……(かわいいなぁ)
りゅーが だったら …

あんず
あんず
(あ、そういえば、りゅーが とこんな会話したっけ?)
(私が 髪型アレンジして学校に行った日……)
『 へー、お前 上にあげたんだ?髪?』

『……うん。 変?』

『ん?変。』

『ひどいー!』

『でもまぁ、明日からそれで来いよ、学校。』

……え。

りゅーが が顔を背ける。

私はそんな彼の背に寄りかかりたくなる。

彼の暖かそうな背に触れようとした時、彼が

こっちを振り返る。

頭をポンってして、じっと見つめる。

そんな彼の目は、茶色くて、澄んでて、

本当に吸い込まれそうになる。
斗真
斗真
……あんず?
あんず
あんず
……何ー?りゅーが?
斗真
斗真
……りゅーが?
あんず
あんず
え、あ…。
ごめん、まちがえた。
斗真。
その時の斗真の顔を見ると、私は罪悪感の吐

き気に襲われた。

プリ小説オーディオドラマ