第3話

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2021/05/04 00:58
―――昨日の話―――
ねぇあなた?
のんびりとお茶を飲んでいる時、母は尋ねてきた
あなた

ん?どうしたのお母さん

あなたはその……あの恐怖症治したいと思ってる…?
あなた

えっ…?まぁ…治せるなら治したいけど…でも怖いし…………

私はとある事件のせいで重度の男性恐怖症である。
男性が近くにいるだけで震えが止まらなくなり、過呼吸を起こすこともある
他にもめまいや気絶など様々な症状が出てしまい、それを避けるためずっと家に引きこもっている
そう……
じゃあもしお母さんが再婚するってなったらあなたはどう思う?
あなた

えっ!?それは……嬉しいよ!お母さんが再婚して幸せになれるなら………

あなた

(ただちょっとお父さんができるのは怖いけど…)

そう!?それなら良かったわぁ……
私仕事の社長さんと結婚することにしたの!
私は急な発言に飲んでいたお茶を吹き出しそうになった
あなた

ふぇ………?じゃあ私はどうなるの……?

私は男性恐怖症なのだ。急な義父なんかと暮らせるはずもない。
それに不登校で引きこもりの、可愛くない私なんて誰が娘にしたいだろう?
それなんだけど………あなたには私とは別の家で暮らしてもらおうと思って
あなた

!?!?!?

まさか……私捨てられる?
その……男性恐怖症を治すには歳の近い信頼できる男性とよく居た方がいいって聞いてね……?
お母さんが再婚する人、3つ子の息子さんがいて大学2年生で広い家に3つ子だけで住んでるらしいの
だからあなたもそこで暮らしたら男性恐怖症治るかなって思ってね……?
あなたが嫌だったらいいのよ??
この再婚は断るし………
ただあなたにも恐怖症を治して普通に暮らせるようになってほしいの……
お母さんあなたにも幸せになってほしいのよ………
母はそう涙目で言ってきた
あなた

うぅ………
わかった、少し考えてみるよ………

母は少しほっとした表情で
わかったわ。
なるべく明日までには返事をちょうだいね
と言った
私はあまりのショックな話で少しふらつきながら部屋のベットに倒れ込んだ―――
母の幸せをとるか、私のこの変わらない悪夢のような日々を続けるか
答えは自分でも認めたくなかったがもう決まっていた……………。
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