そんなものでは鬼は殺せない
!?
(いつから背後に!?)
鱗滝すゎん、せめて足音たててさしあげて。
じゃ、じゃあ、どうしたら…
人に聞くな、自分で考えろ。
……鱗滝すゎん、泣かせたらハンボッコにすっぞ☆←
(ああ、義勇、この子はダメだ。
思いやりが強すぎて鬼にまで同情してしまっている。
この子は鬼殺隊にはなれん。)
私は鱗滝さんをじっと見る。
しばらくすると鱗滝さんはお堂の中へと入っていった。
人を埋葬するためだ。
それを手伝おうと私は立ち上がった。
もう、足は治った。
かなりの怪我だとしばらくすれば治る。
……あの
!?
いつ、背後に…
あ、今です、たった今
…………そうか。
はい、私は死羅あなたといいます。
鬼殺隊の柱より上の階級、"神柱"をやっております。
柱より上の階級?
はい、御館様がおつくりになられました。
まあ、それは私だけですが。
……。
朝日が登り始める。
お願いがあるのです。
私が神柱であることを隠しながら、
炭治郎達と共に過ごすことを許可していただきたい。
……わかった
ありがとうございます…!
私のお礼を聞いた後、すぐにお墓のほうに行ってしまった。
私は疲れたので少し休むことにした。
会話は私の耳が捕らえていた。
………………………………………………………………
作者コメ
幸せって誰にでもあるんですかね。
いつか幸せがくるとして、それはいつなんでしょう。
もしかしたら亡くなった後かもしれないですね。
(私は今何を言っとるんだ?)
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!