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氷の涙が伝うグラスの中はレモンサワー
はちみつが酸味をまろやかにし、水面に浮かぶミントの葉が清々しい
大きめのダイヤカットの氷をカラカラと鳴らすように、目の前の弟は漆黒のストローをかき混ぜる。
私の前に置かれたアイスミルクティーは一ミリも減る事なく、溶け出した氷のせいでむしろ増え、ただ涙をこぼし続けている。
その涙はもう、紙製のコースターも吸い取れない。
だって、吸水量には限界があるから。
私だってそう
止まる事のない涙を、もうこれ以上すくい切れないの。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。