第2話

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2022/02/21 14:16
ブランシェ・レベッカ
ブランシェ・レベッカ
……っ。
私は少し妬ましく、目の前の煉瓦調の建物を見つめている。

品のある、ローブがついた制服の袖を握り決意したようにその建物に足を踏み入れた。
ブランシェ・レベッカ
ブランシェ・レベッカ
今日から、ここが……。
門には「ルノワス魔法等学園」と書いてあり、周りには自分よりも背筋を伸ばし凛として歩く人もいる。
ここの学園は、かなり優秀らしく政財界の大物や特段秀た魔法師が自身の子供を入学させている。

私の家も例外はなく、全員がここの学園に通っている。
そもそも、初等科の時点で決まっているようなものだが。
初等科の成績で進学できる学校が決まり、そのまま成人を迎えるまで在学し、その後は自分で歩む道を決める。
私は、兄弟よりも劣りそれでも頑張って成績の上位を保ってる。

だから、ここにこれた。


……のに、ここにいる自分自身に疑問が湧く。


兄弟よりも劣り、大した意見も持てず流されるまま入学。

私よりもしっかりとした意思を持って入学した人はごまんといる。

そんな私がここの敷居を跨いでいいのか。

あやふやなまま、入学式の会場につく。
学長の話を聞きながらも、自分自身に問いかけた疑問にぶつかり続けていた。

学長の話が終わり、生徒会長の挨拶になった。
ブランシェ・レベッカ
ブランシェ・レベッカ
そういえば……。
一つ、あることを思い出した。

壇上にあがる人物を見つめながら。
ブランシェ・ルーク
ブランシェ・ルーク
……ここの生徒会長のブランシェ・ルークだ。
以後、お見知りおきを。
壇上に立ち、堂々とした背筋で淡々と語るのは、紛れもない兄だった。
ブランシェ・レベッカ
ブランシェ・レベッカ
お兄様はすごいなぁ……。
ブランシェ家の跡取りとして生徒会長になり、大勢の前で堂々と話す兄とただ、その血筋に産まれただけで期待され何もできない私。

比較するだけで惨めになる。
私の目の前にいる兄は、私自身の嫉妬と尊敬の塊だ。

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