第33話

すきときらい
1,028
2022/07/20 10:41
上鳴電気
上鳴電気
今笑ったよね?!
(なまえ)
あなた
笑ってない
上鳴電気
上鳴電気
絶対笑ったって!!
(なまえ)
あなた
…ハイハイ、笑ったから。
これでいい?
上鳴電気
上鳴電気
いいじゃん、もっと笑えよ!
(なまえ)
あなた
…は?
上鳴電気
上鳴電気
未来のお前は人見知りだったけど、よく笑っててかわいかったぜ!
(なまえ)
あなた
な、なに言ってるんだ?!
上鳴電気
上鳴電気
なんだよ、照れてんのか?
(なまえ)
あなた
照れてない!!


別にからかうつもりはなかったけど、未来でほほ笑むあなたを思い出してはまたあんな笑顔を見たかった。
だけど、ちょっと出来心でからかってしまったが、ラッキーだった。






だって、





(なまえ)
あなた
…ッ//
こんなに顔を赤くして照れてるあなたを見ると、未来では見られなかった姿にちょっとうれしい気持ちになる。



未来では絶対こんな照れた顔なんて見られなかったし。
目の前のあなたを見ると、大きなグレーの瞳を揺らしながら顔を真っ赤に染め上げていた。
そして、こちらを見た。





…あ、やべ。怒られる!!





上鳴電気
上鳴電気
ごめん!!!
(なまえ)
あなた
…別に怒ってないし。
その…僕と君は未来で…その、
上鳴電気
上鳴電気
…?
(なまえ)
あなた
上鳴、君は僕のこと好き…だったのか?//
上鳴電気
上鳴電気
…ッ//
上鳴電気
上鳴電気
お、俺はその…好き、だったよ
(なまえ)
あなた
…そう、なんだ
上鳴電気
上鳴電気
もちろん今だって好きだけど!!
いや、俺何言ってんだ…?
ごめん、あなたは俺のこときら
(なまえ)
あなた
嫌いとか、言ってないし
上鳴電気
上鳴電気
…え?
(なまえ)
あなた
僕、嫌いなんて言ってないし
上鳴電気
上鳴電気
ほんと?!
(なまえ)
あなた
すきとも言ってないし…
上鳴電気
上鳴電気
全然いい!!
嫌いじゃないんだよね?!
よかったぁ~!!
(なまえ)
あなた
…嫌いじゃない、
上鳴電気
上鳴電気
ふふっ。俺は好きだよ、あなたのこと。
(なまえ)
あなた
そ、そういうこと照れもせずにサラッと言うなよ!!



あれからあなたの俺に対する態度は一変した。





なぜあんなに冷たかったのかはわからないままでいるけど、とにかく回帰前のようにいや、回帰前よりも俺たちの中は深いものへとなっていた。




mob
ねえねえ。
最近あなたくんと上鳴って仲良くない?
mob
わかる…!
でも上鳴と紫野くんのカップリングすきだなあ。
mob
あんたまたそんな話?w
mob
え~超いいじゃん。
あなたくんの天然っぽい感じにさ~、上鳴の無邪気でワイルドな感じよくない?
mob
こら、きこえたらどーすんのよ!


遅い。
もう聞こえてるっつーの!!




あなたは~っと、周りを見渡してみてもタイミングよくあいつは不在のようだった。
まあ、こんなことを聞かれてなくてよかったのかもしれない。




こんなことをあなたの耳にいれようものなら…





(なまえ)
あなた
僕たち少しの間距離置こうか。


何て言われかねない。




そんなことになったらあっという間に高校生になって、冬のあの日になってあなたは…





…り。
…なり
電気…!
上鳴電気
上鳴電気
…え?
(なまえ)
あなた
なんだよ?ぼーっとして
上鳴電気
上鳴電気
い、いい、今!!
(なまえ)
あなた
なに?
上鳴電気
上鳴電気
電気ってなまえで…!!
(なまえ)
あなた
悪い?
君も僕のこと名前で呼ぶじゃん。
上鳴電気
上鳴電気
それは、そう、だけど!!
うれしい…もう一回呼んで!
(なまえ)
あなた
電気
上鳴電気
上鳴電気
もう一回!!
(なまえ)
あなた
電気。
上鳴電気
上鳴電気
くぅ~!!
もう一回!!
(なまえ)
あなた
うざいよ電気。


久しぶりにあなたの口から紡がれる俺の名前は、不思議と久しぶりの感じはしなくて。
なんだかすごくうれしかった。
やっぱり好きな人に自分の名前を呼んでもらえるのはうれしいものだ。
願わくば、その口から紡がれるのは俺の名前だけならばいいのに、なんて考えてしまう。





当の本人は、我関せずといった顔で俺を置いて席に戻っていった。
だけど耳の端はなんだか少し赤く見えてそれをみて俺は少し口角を上げた。




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