あの夏の朝。

俺は初めて一目惚れという恋をした。

一目惚れなんて絶対ないと思っていた俺だが
いつの間にかキミに恋をしていたんだ。

話したこともないしキミの性格さえも
分からないのに。

俺の頭の中はキミの事でいっぱいなんだ。

こんなの俺らしくないし正直いうと他人に
興味はなかった。

大学でも結構、告白はされるけど
断ってきた。

でも確かに今の俺はキミに興味津々なんだ。

キミを俺のものにしたい

キミに好きって言ってもらいたい

俺の事を好きになってもらいたい

最近そんなことばかり考えてる。
俺って結構、気持ち悪いよな。

でもそれほどキミにまじで恋をしているんだと
思い始めている。

キミとの出会いはあの電車のホーム。

俺はいつも大学に向かうために8時30分の
電車に乗るんだけど今日はちょっと大学に
用事があっていつもよりだいぶ早い
7時50分の電車に乗ることにした。

電車を待っていると高校の制服をきた

華奢で可愛らしい女の子が俺の近くまできて
電車が来るのを待っていた。

いつもはそんなに女の人をみても可愛いとか
綺麗とかそんなに思ったことはなかったのに
キミはなんだか違ってみえたんだ。

胸がドキッとして今まで味わったことのない
感情になっていた。

これが一目惚れだということは気づくのに
そんなに時間はかからなかった。

俺はあの日から
7時50分の電車に乗るようになった。

それはキミに会いたいから。

キミに一目惚れした日から1ヶ月がたった。

俺は大学で仲のいい健人にキミの事を話した。

健人は友達でもあり結構すごい科学者でも
ある。

いつも大学でなにか研究をしている。

なんていう会話をしていたら
ふと、こういう事が思い浮かんだ。

最初は健人がいうことは冗談だと思っていた。

でも1週間後、健人から電話がきて

ほんとにそういう薬を作っちゃったらしい。

健人が待っている研究室に入ると
健人がニコニコしながら待っていた。

さっきまでニコニコしていた健人が
いきなり真面目な顔になりこの薬の
説明をしはじめた。

健人から薬の説明を聞き
薬が入っているビンを渡された。

中には約60錠くらい入ってて
約2ヶ月はキミと一緒に過ごせるってわけか。

でもこんな風にしてキミをもてあそぶ
ようなマネをしてもいいのだろうか。

でもこの愛薬のせいで
俺はこの薬を手放せなくなってしまう
なんて思ってもみなかった。