第26話

24話
1,967
2023/06/07 13:14
あなた
お、まえ…何者、ですか……‼︎
あなたは息を荒げ

自身にナイフを突き刺した男を睨む。
??
だから言ってるじゃん
“聖騎士”だって
あなた
聖騎士…だと……
ですが、その姿は子ども…
??
俺の幻術が貴方を上回ったってだけの話でしょ?七つの大罪も呆気ねぇのな
あなた
げん、術……お前は、もしや…
??
あり?思い出した?
そうだぜあなた様、俺だ‼︎
??
貴女に拾われた元孤児で弟子のロッド・ノープスだ‼︎
ロッドノープスと名乗った男は

ケラケラと楽観的に話をする。
あなた
ロッド…私は、お前を弟子にした覚えはない、と…何度言えば分かるのです…
ロッド・ノープス
俺があなた様の弟子でいたいんだよ〜‼︎
あなた様は俺の命の恩人だしぃ?恩返しがしたいんだよね〜
あなた
そういう、割に、ナイフを…突き立てるのですか…
ロッド・ノープス
うん、だってあなた様は俺だけのモノだもん
先程まで笑っていたロッドは真剣な目をして

倒れているあなたに目線を合わせた。
あなた
………
ロッド・ノープス
俺を拾ってくれたあなた様はまるで神様みたいだった…いいや‼︎あなた様は俺にとっての神そのものなんだよ‼︎‼︎
あなた
………
ロッド・ノープス
他の奴等…あなた様の仲間とかほざいてるあの七つの大罪、特に!団長のメリオダスには絶対にあなた様を渡さない‼︎‼︎
ロッド・ノープス
あなた様あなた様あなた様あなた様あなた様あなた様あなた様あなた様あなた様あなた様あなた様あなた様あなた様あなた様あなた様あなた様あなた様あなた様あなた様あなた様あなた様あなた様あなた様あなた様あなた様あなた様あなた様!!!
ロッド・ノープス
他の奴に貴女のその綺麗で不気味な瞳を見られるくらいならいっそ殺して剥製にして、俺が一生愛でてあげるよ‼︎‼︎‼︎
あなた
……ロッド…
あなた
お喋りは、満足ですか…?
顔を真っ赤にし狂った笑みでそう言ったロッドに

あなたは冷めた目を向ける。
ロッド・ノープス
あぁあなた様!そんな瞳を俺に向けないでくれ‼︎興奮しちゃうだろ⁉︎
ロッド・ノープス
そのせいで貴女を殺しちまうかもしれない‼︎‼︎
あなた
ほう…この瞳が偽物でも、ですか…?
ロッド・ノープス
………は?
ロッドは目を見開き間抜けな顔を晒す。
あなた
クフフフフ…
ロッド、私を師と、神と崇めるのならもっと私について知るべきですね
あなた
私が…お前ごときが創った綻びだらけの幻術にかかるはずない、と…
その言葉と同時に

あなたはサラサラと霧になり消えていく。
あなた
クフフフフ…
ロッド、お前がもう少し幻術を極める事が出来たのなら、お前を、今度は弟子としてそばにおいてあげましょう
あなた
まぁ、お前の魔力は私とは異なる物なのでそれ以上鍛えられるかは知りませんが、ね……
あなた
それでは…
ロッド・ノープス
あなた様!!!!
先程の笑みとは一転し

顔を真っ青にして手を伸ばすロッドに

あなたは一層笑みを浮かべた。
あなた
arrivederci
そしてあなたは

完全な霧となってロッドから姿を消した。
ロッド・ノープス
………
ロッドはその場で立ち止まり

あなたに向け伸ばしていた手を

ゆっくり開いたり閉じたりして見つめる。
ロッド・ノープス
あぁ…
やっぱり貴女は変わらない…
mob
あの‼︎‼︎
その言葉にロッドが後ろを振り返ると

顔色を悪くし、汗を流して

乱れた息を整えながら話そうとする女性がいた。
mob
聖騎士様!うちの娘を知りませんか⁉︎
私と同じ髪色に緑の瞳の女の子を‼︎
そう言う女性の言葉に

ロッドは困ったと言った風に眉を下げる。
ロッド・ノープス
悪いけど見てないんだ
mob
そ、そんな……
ロッド・ノープス
あぁ、俺が一緒に探すよ!だからそんな顔しないしない!母親がそんな顔してたら娘ちゃんが不安になるよ!
mob
は、はい!
ありがとうございます‼︎聖騎士様‼︎
感謝の言葉を言う母親に

ロッドは満面の笑みを浮かべ娘の特徴を問う。

母親が素直に服や髪型、どんな子なのか

情報をロッドにどんどん話していく。
ロッド・ノープス
ふむふむ、成る程成る程…
ロッド・ノープス
よし、
じゃあこの情報を頼りに…って、ん?
mob
ど、どうかされましたか?
ロッドは目を見開くと

母親の背後をゆっくりと指さす。
ロッド・ノープス
あれ、君の娘ちゃんじゃない?
mob
え…⁉︎
母親が慌てて振り返ると

そこには確かに、自身の子どもが立っていた。
mob
カスミ!
母親は未だに自分に気が付かない娘へと駆け寄る。

その母の後ろ姿を

ロッドは目を細めて睨むように見つめていた。

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