第28話

26話
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2023/09/07 01:09
あなた
ハァ、ハァ……
あなたは刺された箇所を抑えながら

ふらふらとした足取りで歩く。
あなた
だん、長の魔力が…消えた……
あなた
(やはりバイゼル     こ           こについた時エリザベスに渡したあのネックレスは…)
あなた
女神の琥珀で、間違いなかったのか…
あなた
何が悪いものから守る、だ…
あなた
これだから、人間は…信用ならない…
段々と視界がボヤけてきた中で

あなたはエリザベスとベロニカの二人が

遠くから此方に走ってくるのが見えた。
あなた
エリザベス…?
エリザベス
っ!あなた様‼︎
エリザベスは満身創痍のあなたを見て

更に走るスピードをあげた。

その時、あなたは地中に大量の魔力を感じ取る。

その地中とは、丁度エリザベスの目の前で…。
あなた
エリザベスッッ‼︎逃げろ‼︎‼︎
エリザベス
え…?
その言葉と同時に

エリザベスの足元が白い光を放ち、爆発した。
あなた
エリザベェェスッ‼︎‼︎
あなたは傷口のことさえ忘れ

エリザベスの元へと駆け寄る。

しかし煙が晴れ、あなたが見たのは

爆破に巻き込まれたエリザベスではなく

最愛の妹をその身を挺して護り

血だらけになって倒れたベロニカだった。
あなた
なっ…⁉︎
エリザベス
ベロニカ…姉様?
お願い、目を覚まして…
グリアモール
そんな…‼︎ベロニカ様‼︎‼︎
ベロニカ
エ…リー………
エリザベス
ベロニカ姉様?
エリザベスが呼び続けると

ベロニカは焦点の合っていない瞳を開き

右手を彷徨わせる。
ベロニカ
どこに、いるの……?
エリザベス
ここです!エリーはここに‼︎
エリザベスは涙を流しながら

彷徨うベロニカの手を取り自身の頬に当てた。
ベロニカ
ケガは、ない……?
エリザベス
姉様が、私を庇ってくれたから……
ベロニカ
あんたは…昔っから危なっかしいから…
私が…庇ってやんないと…ね……
エリザベス
うん、そう…
エリザベスは涙を拭い笑顔で見せ

昔、城を抜け出し橋から落ちた時

エリザベスを庇い怪我をしたベロニカがずっと

慰め続けてくれたことを話した。

ベロニカをその話を聞き懐かしそうに笑った。
エリザベス
私、ほんとうに嬉しかったの
エリザベス
自分が父上や姉様とはなんの血の繋がりもないことは知ってたから…
エリザベス
だから…だから…
ベロニカ
エリー、関係、ないんだよ…
ベロニカ
血筋そんなものなんて…
ホーク
………
あなた
…っ……
エリザベス
うっ…うぅ……
エリザベス
御免なさい‼︎さっきはあんなこと…‼︎
姉様のこと、嫌いだなんて‼︎私…‼︎
エリザベス
ごめんなさい…‼︎ごめんなさいっ…‼︎
ベロニカ
フフッ…
ベロニカ
大好き、だよ…エリー…
エリザベス
私も…‼︎私だって…‼︎
ベロニカ
わかってる、姉妹だもんね…
大粒の涙を流し悲痛な顔をするエリザベスとは対称に

ベロニカは幸せそうな顔をして笑う。
グリアモール
ベロニカ様…お許しください…
グリアモール
俺は…俺はいつも、何ひとつあなたの…
ベロニカ様のお役に立つことが…
ベロニカ
ばー…カ…
ベロニカ
私は、今も…頼りにしてるよ……
ベロニカ
最後の命令だ、エリザベスを…守って……
グリアモール
最後だなんて…‼︎
どうか、言わないでくださーーー
エリザベス
……姉様?
グリアモール
うっ…‼︎
グリアモール
あ"ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎‼︎‼︎
あなた
………
固く閉じられた瞼を見て

グリアモールは膝をつき叫び、泣いた。

普段の彼ならば絶対にしないそれは

心からの忠誠を誓った主人の死からくる悲しみか

それとも……。

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