第36話

さんじゅうろく
11,495
2019/11/22 09:10















この前みたいに、


普通になーくんを見れなくなった。






























七森 颯太(ななもり)
あなた





























自分を呼ばれても、


普通に、何も思うことなく振り返ったのに、












































七森 颯太(ななもり)
あなた、こっち





















でも、今は


































あなた
いやー…、はは…



























なーくんのその、低い声が


直接心臓に響くようで、


とにかくこの前と全然違くって、









































あなた
な、くん




























恋を、したんだな。


と。


この人に。



































七森 颯太(ななもり)
あなたは、



























私と違って、大人っぽい。
























七森 颯太(ななもり)
俺の何が好き?



























いつでも余裕げな顔をして。


いつでも仕掛けてきて。















あなた
とっても…優しくて、好きです…































だから、私はいつもこんな調子。



















































七森 颯太(ななもり)
優しい?俺が?へえ?
あなた
や…優しい…でしょ、なーくん
七森 颯太(ななもり)
なんでそう思うの?
あなた
ええ…?





























急な問題提起は止めて欲しいです。


こんな時に頭なんか回りませんて。






































あなた
な....、なんででしょう...ね。
七森 颯太(ななもり)
何その敬語。変
あなた
すいません...


















さっきから私は、


ずっと床しか見てないですよ。はい。


顔なんか上げられませんよ。

 
恥ずかしい。









































七森 颯太(ななもり)
俺、優しくないんだよね



























なーくんが少し動いた。


その時、シャツの隙間から見えた鎖骨に、


私は過剰なくらい顔に熱を帯びた。







































あなた
そ…そそそそんなことないんじゃないデスカ…
































変態か。私は。




























七森 颯太(ななもり)
…なに、赤くなる要素あった?
あなた
きっ、気にしないで…
七森 颯太(ななもり)
………




















熱いなーもう.....熱いあつい___



































七森 颯太(ななもり)
あなた
あなた
はっ、い



























不意に、腕を掴まれてびっくりした。





































七森 颯太(ななもり)
あのさ…いい?言っておくけど、















なーくんは、ちょっとだけ眉を寄せて言う。



























七森 颯太(ななもり)
いちいち赤くなってると、食べるよ?ホントに
 



















_____なんて、





























七森 颯太(ななもり)
今すぐにでも





















理解不能な忠告を受けた今日、


なーくんとの始まりの日でした。












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