ななもりside
" あはは、なーくん私お家隣だよ? "
あなたが帰った後、
俺は部屋に残って、黙ったまま。
" そんな事言われなくても、大丈夫 "
最後に俺が言った事。
それをあなたは笑って返した。
全然、笑い事じゃない。
やっぱりあなたはバカだ。
この有難さがどうしてわかんないの。
あなた低脳。やっぱり低脳。
家が隣でも、何が起こるかわからないでしょ。
誘拐されるかもしれないし、
刃物で刺されるかもしれないし、
パターンなんていくらでも
考えられるんだから。
あなたはもう少し、
その小さい頭を使って考えた方がいい。
てゆうか、
あなたに笑われるとか屈辱過ぎてならない。
その時はイラッとした。
けどあなたはいっつも最後、
" でも、ありがとうね。"
笑ってくれる。
イラついた俺が悪いみたいになる。
俺は、きっと彼女に弱い。
放っておけない。
目が離せない。心配で。
きっとあなたは一人じゃ何もできないから。
頭悪くて、危なっかしいから。
全部、俺が教えてあげたいし、
目の届く所に、いつも居て欲しい。
さっきあなたが言った
" 一人で何とかしてみる。"
なんてさ。
一人でできたら、俺いらないじゃん。
だから、あなたはできなくていい。
俺がやる。
こんな、こんな純粋な子、
他の人になんか触らせたくないし。
それに、
変な知識ぶっこまれたら
たまったもんじゃない。
俺が全部教える。決めたから。
でももしかしたら、
あなたに、" 好きな人 "なんてできたら、
その時は、
壁にでも追いやって問い詰めてやろう。
まあ、
結論的に言うと
俺は、過保護なんだ。きっと。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。