~あなた~
\ピロン/
静まった病室の中、
私のスマホが鳴った。
誰だろう。
玲於「大丈夫?何してるの?」
このひと文を読んだだけで、
私の口角は上がっていく。
なんて返そう、
特に何もしてないんだよな・・・
窓から夕焼けを見てた(笑)
正直に答えればいっか、
『大丈夫だよ、ありがとう^^*』
『特に何もしてないんだけど、、、窓から夕焼け見てたよ(笑)』
早くみんなのところに戻りたいな、
\ピロン/
あ、玲於くんかも
亜嵐「大丈夫?寂しくない?(笑)」
亜嵐くんだ・・・
寂しくない?って、w
私、子供じゃないのに、
『大丈夫!ありがとう^^*』
『もぉ、子供扱いしないでよ~!(笑)』
亜嵐「ごめんごめん、(笑)」
亜嵐「心配だったからさ。」
こ、こんなこと言われたら、誰でも照れるじゃん、!
い、いいもん!
亜嵐くんの作戦になんか、引っかからないからな、!
これで私を照れさせようとしてるんでしょ、!
わかんないけど・・・
よし、私だって乗ってやる!
『寂しいっちゃ、寂しいよ、?』
『でも早くみんなのところに戻りたいんだもん。』
どうだ、!
私だって、そんなに子供じゃないんだぞ、!
『俺も早く会いたいよ。』
うぅぅ・・・
ダメだ、
これは無理・・・
亜嵐くんの勝ち!!
せめて文の終わりに (笑) ってつけてよ、
はぁ・・・
なんて返す、?
う~ん、
もうこれには乗れないし、
『・・・それは好きな子に言ってあげて、』
これでいっか、
\ピロン/
亜嵐「あなたちゃん、鈍感なんだね・・・」
どゆこと??
予想外なんですけど・・・
鈍感?
・・・・・・
思い浮かんだ答えはひとつ。
ないないない
そんなのありえない
もう、亜嵐くん変なこと言わないでよ!!
あ~~!
なんか変な考え方しか出来なくなった!!
亜嵐くんは私なんか好きにならない、
亜嵐くんは私なんか好きにならない、、
落ち着け、私、、
常識的に考えろ?
うん、そうだ。
きっと亜嵐くん、今変なんだ、
だからあんなこと送ってきたんだ、
ふぅ・・・
もうこれは返信とか無理。
でも返さないと可哀想かも、
『???』
『おやすみ( ̄^ ̄)ゞ』
うん、これでよし。
夕方だけど私は寝るんだ。
\ピロン/
今度は誰ー!
玲於「俺も夕焼け見てた(笑)」
玲於「明日迎えに行くからね。」
玲於くん・・・
玲於くんと同じことをしていたということが嬉しくて
結局ずっと照れてた私でした。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。