第104話

98話
533
2020/05/08 08:25
~玲於~
佐野玲於
佐野玲於
・・・ん。/////
あなたちゃんに手を出す。
繋ごうってことなんだけど
拒否られたらどうしよ、
あなたちゃんめっちゃ困ってるし。

だってあなたちゃんこのままじゃ方向音痴ってバレちゃいそうじゃん?
それじゃ可哀想だから。



・・・嘘。俺以外にバレて欲しくない。




こんなことで張り合って、俺、馬鹿だよな。



あなたちゃんがゆっくり手を出してくる。



・・・やべぇ可愛い←



にこってして、
ちゃんと握ってあげる。
柔らかい小さな手を、そっと包む。

はぁ・・・
誘った俺が緊張してきた、
隣のちょっと下には顔を真っ赤にしたあなたちゃん。
中務裕太
中務裕太
その方が安心やなぁ(笑)
そうだ、そうだ、
これはあくまで安全のため。


・・・調子乗んなよ、俺。
数原龍友
数原龍友
よっしゃ、行こ!
あなた

・・・う、うん!

緊張してるな~
さっきまであんなにはしゃいでたのに。


・・・俺のせい?w












関口メンディー
関口メンディー
結構並んでるねー
片寄涼太
片寄涼太
だね・・・
白濱亜嵐
白濱亜嵐
あ、でも以外とすぐかもよ?
佐野玲於
佐野玲於
あ、確かに。進みが早いもんね。
小森隼
小森隼
よし、並ぼ!
極力気づかれないようにするけど
やっぱり周りの人は気づいてるっぽい。
中務裕太
中務裕太
なぁ、やばない?
佐野玲於
佐野玲於
うん、絶対気づかれてる・・・
手を繋いだままのあなたちゃんは、
こっちの話には気づかず、列の先を見つめている。
目がキラキラしてて、すっごく楽しそう。


・・・このまま帰ろうなんて言ったら、悲しむよな、
数原龍友
数原龍友
あなたちゃんが可哀想やなぁ・・・
佐野玲於
佐野玲於
だよね・・・
片寄涼太
片寄涼太
どうしよっか、
スタッフ
どうぞ~!
話しているうちに列は進んでいて
あっという間に俺らの番。
あなた

みんな!行こ!

あなたちゃんが俺の手を引いて入っていく。
そんな中、後ろからはコソコソ噂する声が。

話しかけてきたりはしないけど、
やっぱり気になるものは気になる。



・・・あなたちゃんを楽しませてあげたかったのにな。




コースターに乗り、注意とブザーがなる。
あなた

玲於くん!楽しみだね!

佐野玲於
佐野玲於
え、うん、!
はぁ・・・
残念だ・・・



うおぉぉ~!
考えてるうちに、コースターが発車した。


俺の隣にはあなたちゃん。
軽く声を上げながら思いっきり楽しんでるみたい。


坂を登っている途中、なんだか申し訳なくて、
俺はあなたちゃんの手を握る。
びっくりしたあなたちゃんと共に、コースターは勢いをつけて下っていく。
え、待って舐めてたかも
小さな手を再び強く握り、無意識に目を瞑る。
・・・俺、絶叫無理。
そんな思いとはうらはらに、コースターの勢いは上がっていく。
やばい、やばい、
これってそんなにやばいやつだったんだ。
俺は、周りにバレたことも忘れ、
ただただ力を込めて手を握っていた。

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