~あなた~
涼太くんの提案で、遊園地に行くことに決定。
行ってみたかったんだよな、遊園地。
行ったことなくて、おばあちゃん達と一緒に行ったんだけど
なぜか私が熱出しちゃって
そのまますぐに帰っちゃった。
いつかまた行こうと思ってたけど、
まさかこんなふうに行くことができるとは・・・
・・・涼太くんありがとう。
・・・賛成してくれた玲於くんもありがとう。
・・・みんないいよって言ってくれてありがとう。
マネージャーさんが送ってくれるみたいだから、
それぞれ準備をして車に乗る。
車の中で何度も何度も聞かされ
あっという間に遊園地に到着。
マネージャーさんは、気を使ってくれたのか、
ホテルに戻ってしまった。
・・・一緒に遊べばいいのに。
走り出した隼くんに続いてチケット売り場へ走り出す。
そうだよね、落ち着こう。
こんなんだから熱出すんだ、
チケットはフリーパス。
たくさん乗るもんね。
玲於くんの手にはフリーパスが2つ。
無理やり持たされ、手を引かれる。
もうこれってどうしようもないよね・・・
素直に感謝するしかないか・・・
こうして、完全なプライベートタイムが始まった。
今私達は、マスクをしているだけ。
・・・普通にバレそう、
ということで、
私達は近くにあったお土産屋さんへ。
適当な被り物を買い、最低限の変装はした。
・・・でもバレる気しかしない、
私が指したのは、緩めのジェットコースター。
やば、はしゃぎすぎちゃった・・・
ここで方向音痴がバレる訳にはいかない、
玲於くんが手を差し出してきた。
え、どうしたの!?←
・・・え、手、、繋ぐってこと、?
え、ほんとに!?
恐る恐る手を出す。
私の手を玲於くんは優しく包む。
・・・私緊張で死ぬかも
これじゃ、はしゃげないわ・・・
ドキドキしっぱなしの1日がはじまる。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。