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第1話

prologue
74
2026/03/02 14:30 更新
皆が天気と聞いて思い浮かべる物はなんだろうか。




人気の多いハレ?




お日様の隠れるクモリ?




街が水に沈むアメ?




凍るほど冷たいユキ?




空を自由に飛び回るカゼ?






…私は________
ヒナ
ヒナ
わぁ〜!!
ここはとある空を操る力を与えられた世界。
朝昼夜の半神、晴れ雨くもり雪風、の半神とその補佐役が選ばれるこの式典では全ての国民が集まっていた。
街は賑やかで、至る所で天気を形どった食べ物やアクセサリーを売っている。
すごいわね、やっぱり今回の式典はいつもとは比べられないほど期待されているからかしら…いつもより賑わってる気がするわ。
ヒナ
ヒナ
そうだよねっ!今回はお兄ちゃんも候補だから…!
今回の式典では、どちらかといえば年長者より年少者に目を向ける者が多かった。
天気の操り方には個性が出る。
前回の天気は割とシンプルで、どの天気も平均的な回数しかでてこなかった。
ただ今回は、どの立候補者も個性派揃いで、成績優秀者や人望の大きい者から、普段目立たなかったただの一般人が急に立候補したり今まで姿を隠していた天才が急に顔をだしたり…など、異例が多かった。
その中に入れたルカにいはすごいと思う。15歳から立候補できるこの式典で17歳にして有力な風の半神の立候補者だ。
そんな事をお母さんと話していると、式典の開催時間になった。
式典、と言っても神の御言葉を聞いて、誰が半神になるのかを神が告げて終わり…というシンプルな式典なのだが。
昔はお偉い人のお話もあったみたいだけど、あまりの長さに神は待つことが出来ず、その場でその人を処刑してしまった事からなくなったらしい。あくまで噂だけど。
司会
これから式典を始めます。
その司会の一声で周りはシンと静まった。この一声が、神を呼ぶトリガーとなっているそう。


そのため、皆が神の声を聞こうと必死だ。
空の女神
式典に集まってくれた全生物の者達よ。今日、この舞台で新たなる半神が誕生する。その喜びを、ここで分かち合おうではないか。
その短い言葉が途切れた後、民衆はワァァァと沸き立ち、拍手喝采、と言った様子。
神の御言葉なんて毎回一緒で姿がみえる訳でもないのに、どうしてこんな沸き立てるんだろ、と思いつつ、心にしまって司会を見た。
空の女神
続いて、新しき半神の発表を行う。
いよいよだ。民衆はまた静まり返ったが、心にあるワクワクをしまいきれないのか、皆ソワソワしている。
空の女神
まずは、朝の権能を持つ半神からだ。
空の女神
朝の半神は……









空の女神
カコが選ばれた。カコに『モーニ』の称号を授ける。
カコ・モーニ
カコ・モーニ
…!宜しくお願いします…
カコ、という人が選ばれた。
確か、この人は成績優秀で姉から薦められて朝の半神を希望してたんだっけ…
称号、というのは半神に選ばれた人だけがもらえる名前の姓。基本的にみんな姓はないけど、役職のある人は『称号』として姓を与えられる。
いいな、私はまだ14だから出来ないけど…いつかやってみたいなぁ…!
空の女神
次に昼の半神だ。
空の女神
昼の半神は、ガンマが選ばれた。ガンマに『アフタ』の称号を授ける。
ガンマ・アフタ
ガンマ・アフタ
お、私か!よっしゃ、頑張っちゃうゾ〜!!
ガンマ、という人が選ばれた。
この人は数々の問題行動を起こしてきたかなりの問題児…なんて聞いてるけど、人望が厚く、この人の周りはいつも明るかった…とお兄ちゃんから聞いた。
その後も発表は続き、やがてこの式典は終わった。
ヒナ
ヒナ
…今回も凄かったなぁ…!
そうね、それにうちのルカも選ばれたのは喜ばしいことだわ。
ヒナ
ヒナ
…半神になったらお兄ちゃん達はどこに行っちゃうの?
そうね…私もあまり知らないのだけど、噂では空に浮かぶ浮島で半神の仕事をこなすらしいわよ?
ヒナ
ヒナ
そうなんだ…すごいなぁ…!
これからのお兄ちゃんの活躍が楽しみでたまらない。
…でも…
ヒナ
ヒナ
もう、しばらくはお兄ちゃんと会えないんだよね…
…そうね、15年のお役目が終わらない限りは…私たち家族が面会することも許されないし、半神のお役目に休みなんてないものね。
ヒナ
ヒナ
……もうちょっと、話しておけばよかったな…
そんな後悔を残しつつ、私は自室へ戻った。
あの日から約1年が過ぎ、私が15歳になったころ。
外は雲で覆われ始め、どこかから落雷も聞こえてきた。
こんな日の昼は人々から嫌われる。
ただ、そんな愚痴を溢す暇さえないほど、衝撃的な事件が起こる。






























『この世界の空から、晴れの半神が居なくなってしまったと………』














ヒナ
ヒナ
……っえ?
何の気なしにラジオをつけると、そんな言葉が耳に飛び込んできた。
嘘だ、だってさっきまで晴れで…




ゴロゴロッ、ピシャーンッッ!!!
ものすごい落雷の音が聞こえたかと思うと、外から大きな雨音が聞こえた。









……その空に、太陽の明るさはなかった。





“1章:晴れがなくなったあの日”

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