あなたが6歳の頃のコト──
隣の家で火災が起きた。
あなたの家族は逃げ遅れた。
けど、お母さんとお父さんはあなたとあなたのお兄ちゃんをかばった。
それで、お母さんとお父さんは死んじゃった。
お兄ちゃんも最後には死んじゃっていた。
あなたは生き残れたものの、脚と腕に火傷のあとが残ってる。。
それから、あなたは火が怖くなった。
それでも、救命医の夢は諦めきれなかった。
だから、救命医になった。
Sideあなた
怖い、怖い。。
なんか、足が震えてる。
火傷のあとも見える。。
どんなに怖くても患者救わないと...
現場到着──
藍沢先生なんかに言える訳ないじゃん!!
だって、好きな人に迷惑かけるのやだ。。
既に医者として迷惑かけてるし。
そんなこと考えるより、処置しなきゃ。。
あなたは火災のあった方へ向かう──
やることは全部わかるのに...。
手は動かない。。
あのときの怖さがよみがえってくる...。
救いたい...。救わなきゃ。。
よし。(メスを握る)
なんで...?手が震える...
怖い怖い。。
逃げちゃダメってわかってる...
よし、お腹ここで切らなきゃ。
やっぱり怖いけど...。
結局、子供は救えなかった。。
わたしが火事にあった時と
同じくらいの年の子。
藍沢先生がやってたら、救えてたのかな..?
藍沢は、お母さんとヘリに乗って翔北へ行った。
緊急手術をして...。
なんとか一命をとりとめた。
手術後に、橘が言った。
フェローたちの間でもその話は話題になった。
メスで手を切ったところは横峯さんが縫ってくれた。
藍沢先生。戻って!!
それが一番の願い...。
この思い届いてほしいな...。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。