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第74話

🌸
2,001
2020/05/08 07:46
無一郎side
あれから

どんなに年月を越えただろう

僕の時間は止まったままだ
無一郎
無一郎
はぁ…
桜を見る度

あなたを思いだす

母さんたちには会えたかな

もう辛くない? 今幸せなの?
無一郎
無一郎
…どうしてるの?
ぎゅっと握った拳から

指輪の感触が伝わってくる

あなたの指輪は彼女と一緒に埋めた
無一郎
無一郎
寂しいな
やっぱり僕の隣はあなた

君しかいない

君じゃなきゃ駄目なんだ

僕はどうやっても

前に進む事が出来ない
天元
天元
よう、時透
無一郎
無一郎
…宇髄さん
天元
天元
…また見てるのか?
無一郎
無一郎
はい…
この桜はあなたが好きだったから
僕はこの先

あなたの面影を追うことしか

出来ないのかな

君が見たらきっと

『情けない』って言うだろうな
無一郎
無一郎
あなた…
天元
天元
おい、時透
あれ…
宇髄さんが指さす方向から

桜が1枚 ヒラヒラと舞ってきた

僕は無意識にその桜を掴んでいた
天元
天元
どこから迷い込んできた桜だ?
無一郎
無一郎
あ…
この桜見た事ある

僕、知ってる_
無一郎
無一郎
…あなただ
僕の元へ会いに来てくれたんだね

こんな綺麗な桜の姿になって
天元
天元
確かに
お前に会いにきたのかもな
あなた

僕に沢山幸せをくれてありがとう

僕はもう大丈夫だよ

前を向いて歩いて行く


END.

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