まるで私にすがるかのように
私を捕まえて
身動きが取れないようにした
逃げないと
早く刀を抜かないと…
それなのに
どうやってもこの人たちの手を振り払えない
何で
どうしてこんなにも貴方たちは
汚れてしまったの
『一族の誇り』
そんな肩書きに縛られて
それしか見えていない 可哀想な人たち
きっと私のせい
私がここに生まれたから
『桜咲』の名前は
私には重すぎて背負いきれなかった
私は弱かったんだ
私はやっぱり
この力を持ってしまった罪を
償わなければいけないのかな
鬼は気味悪く笑うと
私の腕目掛けて切り裂いた
血が止まらない
痛すぎて何も考えられない
耐えられない
駄目…
このままじゃ
無一郎までやられてしまう
『命の呼吸』の本当の力
今だからこそ使うべきなのかもしれない
例え何を犠牲にしても
無一郎だけは_
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!