無一郎は似合ってるって言ってくれたけど…
はぁ…
もう随分と伸ばしていたから
急に短くなると
違和感しかない
本当に大丈夫かな
あの後
無一郎が綺麗に揃えてくれて
いくらかは見栄えが良くなった
耳にかける…?
それとも…
しばらくの間は
鏡とにらめっこしそうだ
あなた?
あ、無一郎
まだ気にしてるの?
ちゃんと似合ってるのに
無一郎は私に嘘はつかない
だからこれもきっと本心なのだろう
何か自信なくって…
恋人の僕が言ってるから
間違いないよ
ちょ…!
スルッと私の髪をとったかと思うと
そのまま軽くキスを落とした
短い分距離も近い
ね?
良いことだらけじゃん
ちょっと出かける!//
最近の無一郎は
手が早い気がする
男の子だし年頃のせいかな…
このままだと心臓がもたない
あ…
何か言いかけた無一郎を無視して
早足で外へ出た
NEXT_
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!