恭平side
今日は掃除当番。
俺と花倉は同じ班だから必然的に一緒になる。
はぁ…最悪
花倉はいつも掃除を途中でやめて帰る。
今日もだ…
「ごめん。帰らなきゃ。あと任せた!」
【バイバイ〜!】
「すみません。あとお願いします。」
『…あぁ。…はい。』
『俺だって忙しいっつうの。』
花倉は荷物をもって走っていった。
《はぁぁ。まただよ。なぁ恭平。》
『あぁ。』
《よく冷静でいられるな。いつもだぞ。》
『別に冷静じゃねぇよ。ムカつくし。』
〈あいつ。早く帰って何してんだろうな。〉
『知るか。』
ほんとにムカつく。いつも掃除押し付けて帰りやがって。
ほんと嫌い。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。