第11話

9話
5,768
2020/08/27 22:14
ぬらねいらの体が光の粒子となり、エンマ大王の顔を柔らかく照らす。



そして、犬まろ、猫きよ、そして_________















ぬらりひょんは、床に手と膝をついて顔を俯けていた。






エメラルドグリーンの空を覆っていた雲がゆっくりと晴れていく。





空から明かりが差し込み、暗かった王宮内を明るく照らした。






ぬらりひょん
ぬらりひょん
っ、、、!



ぬらりひょんは目をかっぴらいたあと、奥歯を噛み締めた。





そんなぬらりひょんを見て、エンマ大王は静かに笑う。






エンマ大王
エンマ大王
ぬらり。
俺と一緒に、前へ進んで行かないか?



その言葉に驚いたように、ぬらりひょんは顔を持ち上げる。





エンマ大王
エンマ大王
俺と一緒に、新しい妖怪ワールドを創ろうぜ!


妖怪も人間も仲良くできる、いい感じの世界をさ。


なっ!




虚ろだったぬらりひょんの目に、エンマ大王の笑顔が映る。





それは、先代閻魔大王の優しい笑顔と重なった。






_________ぬらりひょんは、虚ろだったその目に涙を浮かべる。




一度目を瞑って、いつも通りの真剣な眼差しをエンマ大王に向け、片膝をつき_________
















ぬらりひょん
ぬらりひょん
_______御意、大王様・・・!




涙がにじむ声でそう発し、





今のエンマ大王を_________認めたのだ。




その様子を見下ろしていた一同は、お互い顔を見合わせたり、コクンと頷く者もいた。



エンマ大王は残った天井にひょいっと飛び乗り、両腕を広げた。






そして、こう語る。






エンマ大王
エンマ大王
全ての妖怪共!よく聞くがいい!
ここに、我エンマ大王は宣言する!
これからも妖怪と人間は心を通わせ、支え合い、
共に仲良くやっていくぞ!!




天高くまで、妖怪達の叫びが響き渡った。











あなたはそれを見つめて、ニコッと笑った。

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