ぬらねいらの体が光の粒子となり、エンマ大王の顔を柔らかく照らす。
そして、犬まろ、猫きよ、そして_________
ぬらりひょんは、床に手と膝をついて顔を俯けていた。
エメラルドグリーンの空を覆っていた雲がゆっくりと晴れていく。
空から明かりが差し込み、暗かった王宮内を明るく照らした。
ぬらりひょんは目をかっぴらいたあと、奥歯を噛み締めた。
そんなぬらりひょんを見て、エンマ大王は静かに笑う。
その言葉に驚いたように、ぬらりひょんは顔を持ち上げる。
虚ろだったぬらりひょんの目に、エンマ大王の笑顔が映る。
それは、先代閻魔大王の優しい笑顔と重なった。
_________ぬらりひょんは、虚ろだったその目に涙を浮かべる。
一度目を瞑って、いつも通りの真剣な眼差しをエンマ大王に向け、片膝をつき_________
涙がにじむ声でそう発し、
今のエンマ大王を_________認めたのだ。
その様子を見下ろしていた一同は、お互い顔を見合わせたり、コクンと頷く者もいた。
エンマ大王は残った天井にひょいっと飛び乗り、両腕を広げた。
そして、こう語る。
天高くまで、妖怪達の叫びが響き渡った。
あなたはそれを見つめて、ニコッと笑った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。