猫きよペロンは、近くに居たUSAピョンとコマさんに襲いかかった。
逃げ道として通っていた短い橋が、猫きよペロンが勢いよく乗っかったおかげでバリィィッと凄まじい音を立てて崩れる。
猫きよペロンは緑色の川に落ちたものの、すぐに体勢を立て直し、ザラザラした紫色の舌で川の水を勢いよく2人に振りかけた。
当然2人は、水しぶきと共に吹っ飛んで行った。
一方犬まろデロンは、ジバニャンとウィスパーの元にいた。
ジバニャンとウィスパーは焦って黄金色に輝くマーライオンの上に飛び乗る。
それを見て犬まろデロンは舌舐めずりをすると、長い舌をマーライオンの体に当てて破壊した。
破壊されたところから水が噴水のように湧き出て、噴射された水がウィスパーの体を乗せる。
その後も犬まろデロンは、まるでだるま落としのように舌を動かして破壊していく。
犬まろデロンの舌が目の前にあるところまでの高さになると、犬まろデロンは舌を2人に向けて放った。
ジバニャンが舌を避けるたびに、避けようにも避けられないウィスパーの体に全発当たる。
ウィスパーが傷だらけになった体でジバニャンの顔を思い切り引っ張っていると________
フユニャンがちょんちょんと犬まろデロンの肩を叩き、不思議に思った犬まろデロンが振り向いた瞬間。
ドゴォッ‼︎
犬まろデロンの頬へ、強烈なキックをお見舞いした。
不意打ちを突かれた犬まろデロンへ最後に一発。
手に青白い光を灯し、力のこもった一撃をドガァッと一発!
犬まろデロンはそのまま倒れ込んだ。
一方コマさんとUSAピョンのところでは、苦戦の真っ最中。
猫きよペロンの舌に捕まったコマさんはグルングルン回されているおかげで目がグルグル渦を巻いていた。
コマさんを助け出そうと、USAピョンがレーザーガンから淡い発光されたビームを繰り出し、それを猫きよペロンの舌に当てている。
四方八方に飛び立っていたレーザーが舌に当たり、コマさんがようやく解放された。
空中に飛ばされて着地したコマさんはしばらくグルグルと目を回していたが、プルプルと首を振って正常な頭に戻した。
その間、USAピョンは猫きよペロンの餌食になりかけていた。
どこから取り出したのか、コマさんは目をキランと輝かせて深緑色のランチャーを取り出し、担ぐように持ち上げた。
コマさんが引き金を引くと、ウィスパーの方へ一発目のミサイルがぶっ飛んでいく。
哀れなるウィスパーよ・・・()←
爆風に飛ばされたコマさんはけんけんしながら歩くと、コマさんの足元に偶然にも石が。
コケッ
それによってコマさんの手が引き金を引いてしまい、またもや大きなミサイルが犬まろデロンと猫きよペロンにぶっ飛んで行って______
バゴォォォンッ‼︎
2人に勢いよく当たった。
ぬらりひょん議長はその一連の戦いを見て、静かに腕を組む。
全員フユニャンの近くまで集まる。
フユニャンはふわふわ浮いたままぬらりひょん議長へ力強く言った。
それに続いてジバニャンが「話し合いに来ただけニャン!」と付け足す。
すると、それを聞いたぬらりひょん議長は______
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海が見渡せる、夕陽にキラキラと照らされた外ベランダ。
そこには、ぬらりひょんよりも何周りも大きい
先代閻魔大王が立っていた。
その後ろにぬらりひょんが仕えるように立っている。
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冷静な表情から一変、般若のように顔を歪めたぬらりひょんの体から、気色悪くウネウネと動く触手が何本も生えてきて、不気味な姿に豹変し______
【妖怪ぬらりひょん】
みんなが急な変化に怯んでいると、完全に正気を失ったぬらりひょんが不気味な笑いを零して襲いかかってくる。
二本のぶっとい触手が全員にバシンッバシンッと襲いかかる。
もっとも、全員はギリギリなんとかかわしたのだが。
ぬらりひょんはジリジリと全員に迫りよる。
フユニャンのその言葉を皮切りに、全員が攻撃態勢に入った。
ジバニャンは百烈肉球を体全体に喰らわせ、USAピョンはレーザーガンの閃光で反撃。
フユニャンは流石の神経で殴り蹴りを繰り返す。
妖術などが特にできるわけではないウィスパーは、近くに転がっていた石を投げつけて反撃・・・
しているつもりらしい()
しかし________
そえ、ぬらりひょんはひとつのかすり傷もついていなかったのだ。
ジバニャン達はぬらりひょんと距離を取ろうとするが・・・
バシンッ‼︎
ぬらりひょんのうねる触手が、ジバニャン達を逃さない。
あとの3人も触手に潰されたりしてしまい、
暴れる触手は建物の内部、壁を壊していく。
触手をなんとかかわしながら声を発するジバニャンとフユニャン、
かわすのに精一杯のコマさん達の真上。
大きな丸い天井が嫌な音を立て、
ぬらりひょんの高笑いの音が響く。
そして・・・
ドガァァァンッと豪快な音と共に、王宮の天井が勢いよく崩れ落ちていく。
近くにあった柱の影に隠れたジバニャン達は、砂煙に纏われ、ゴホゴホと咳き込んだ。
慌てふためくジバニャン達の後ろで、ウィスパーがずっと「うぃすー!うぃすー!」と喚きながら右へ左へ動いている。
ぬらりひょんがまた二本の触手をジバニャン達に向けた。
フユニャンの声が響いた直後、触手がジバニャン達に向けて放たれる。
全員間一髪のところで触手をかわした。
フユニャンは空中を飛びながらかわし、ジバニャンとUSAピョンは目を点にしながらも焦りながら走り続け、コマさんは柱を登るが上から来た触手に怯んですぐ地面に降りた。
ちなみにウィスパーはというと。
近くにあった瓦礫の山の影に隠れて、安堵のため息をついていた。
ぬらりひょんが逃げ惑うジバニャン達を見て高笑いを浮かべていると。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。