第7話

6話
36
2021/06/23 22:02
逃げ続けて、私たちはいつしか人のいない山の裾の森に辿り着いた。


あてもなく彷徨う蝉の群れが、私たちの間の沈黙を埋めた。

疲れて、喉もカラカラで、私も君も、黙り込んでいた。
星火 蓮子
星火 蓮子
(ヤバい...水がない...。)
私の視界は揺れだしていた。


脱水症状だったのだろう。
???
おい!クソガキども!早く姿を見せやがれ!
???
蓮子ちゃ~ん?出ておいで~?
私たちを探す声はどんどんと近づいてきた。
星火 蓮子
星火 蓮子
...そろそろ終わりかなぁ?
_芥原@くくはら_ 美琴
芥原くくはら 美琴
だねぇ。
_芥原@くくはら_ 美琴
芥原くくはら 美琴
...楽しかったね!
星火 蓮子
星火 蓮子
うん!
星火 蓮子
星火 蓮子
とくにあの引ったくり!
星火 蓮子
星火 蓮子
あの人ね、私の母親なんだ!
_芥原@くくはら_ 美琴
芥原くくはら 美琴
え、あの気持ち悪い人が?ww
星火 蓮子
星火 蓮子
おいおいww言ってやるな言ってやるなww
_芥原@くくはら_ 美琴
芥原くくはら 美琴
めっちゃ笑ってんじゃんww
星火 蓮子
星火 蓮子
そっちもね。
_芥原@くくはら_ 美琴
芥原くくはら 美琴
だってぇ
そして君はふと真剣な顔をして黙り込みナイフを取った。
星火 蓮子
星火 蓮子
...?美琴?
私の問いかけには答えず、君は黙ったままだった。
???
こっちか⁉
さっきよりも近いところで声がした。
星火 蓮子
星火 蓮子
(ほんとにそろそろ終わりかな...。)
そして君は口を開いた。

そこから発せられた声は酷く掠れていた。
_芥原@くくはら_ 美琴
芥原くくはら 美琴
君が今まで傍にいたからここまでこれたんだ。
だからもういいよ。もういいよ










待って、と私は叫びたかった。









_芥原@くくはら_ 美琴
芥原くくはら 美琴
死ぬのは私一人でいいよ




そして君は首を切った。
君は笑っていた。
それはまるで、まるで何かの映画のワンシーンのようだった。
星火 蓮子
星火 蓮子
美琴ッ
_芥原@くくはら_ 美琴
芥原くくはら 美琴
...れん、こ。
星火 蓮子
星火 蓮子
何?
_芥原@くくはら_ 美琴
芥原くくはら 美琴
いま...であり、が...う...ど...れ...こ...は...生き、て...
そして君は息を引き取った。


白昼夢を見ている気がした。


気づけば僕は捕まっていた。

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