第5話

4話
42
2021/06/23 11:32
外に出れば、雨はもうすっかり止んでいた。


私は、君の手を握って歩きながら、私たちが出会ってすぐのことを思い出していた。
星火 蓮子
星火 蓮子
...ねえ、美琴。
_芥原@くくはら_ 美琴
芥原くくはら 美琴
何?
星火 蓮子
星火 蓮子
私たちが出会った頃の事、憶えてる?
_芥原@くくはら_ 美琴
芥原くくはら 美琴
...うん。
その時の君の声は、少し暗かった。
星火 蓮子
星火 蓮子
私たち、出会ってすぐに仲良くなったよね。
_芥原@くくはら_ 美琴
芥原くくはら 美琴
うん。一目見て、あぁ、同じなんだって思ったよ。
星火 蓮子
星火 蓮子
ふふ、私も。
星火 蓮子
星火 蓮子
私たちは、
二人
誰にも愛されたことなどなかった
_芥原@くくはら_ 美琴
芥原くくはら 美琴
でしょ?
星火 蓮子
星火 蓮子
...うん。


"結局私たち誰にも愛されたことなどなかったんだ。"


そんな嫌な共通点を持った私たちは簡単に信じあってきたんだ。
私は握った手に力を入れた。

微かな震えも既に無くなっていて、

君を、そして私を縛るものなんてもうないんだって、そう実感した。
私たちは笑顔で線路の上を歩いた。

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