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2021/10/17

第7話

5.証拠ディスプレイ!
(なまえ)
あなた
うぉえ·····
  俺は舌に残った苦味に悶絶しながら、学園長を睨みつける。

クロウリー
クロウリー
これで、彼の体には魔力が植え付けられましたよ
  コイツ·····嘘を笑顔で言いやがる·····。


俺は学園長(鬼)を横目で見ながらツッコミを入れる。俺の体に変化はない。
いや、まぁ、腐ったぶどうジュース飲んでるんだから変化が無い訳では無いんだが·····。

少なくとも魔力は入ってない。


俺の推測だが、恐らく学園長の計画はこう。

①俺に謎の液体を飲ませる

②魔力が出来たと思わせる

③正式に学園入学


────と言った所だろか。結構無理そうだが。

ヴィル
ヴィル
·····本当に出来たの?
  美しい男が疑った様子で、俺をジロジロと見てくる。他の4人も一緒に。

学園長はそれも想定内だった様で、一切顔を崩さずに部屋の外へと足を向けた。

クロウリー
クロウリー
今から彼の実力を測ってみましょう
クロウリー
クロウリー
これに合格出来たら、彼も立派なNRC生ですよ
  何をしようとしてるのか寮長達も分からないらしく、顔を見合わせてる。
俺に視線を注がれるが、知りませんからね、と言う意味合いで肩をすくめると、大人しく学園長の後ろについて行く。

寮長達も俺の後に続いて、学園長の後を追った。



✯ ✯ ✯ ✯ ✯


緑の芝生に、白いラインが引かれた場所まで行くと学園長は足を止める。
学園からの近さも考えて、グラウンド、と言った所だろうか。
リドル
リドル
·····何する気なんですか?
  学園長は「見てれば分かります」とだけ言って、俺の背中を叩く。

「前へ進め」と、言う事なのか?
俺は学園長も追い越して、数メートル離れた所で立ち止まる。

「俺は何をすれば良い?」と、聞こうとした瞬間。



────ガチャンッ!!!!
(なまえ)
あなた
え·····?
  目の前にピンク色の半透明の壁が現れた。俺の周りをピンク色の立方体の壁で覆う。
可動域は、高さ約50メートル。横幅役30メートルと言った所か。

俺は学園長の側まで行く。壁で隔てられてるとは言え、流石に言葉は通るだろうしな。
(なまえ)
あなた
学園長。これは·····
クロウリー
クロウリー
結界ですよ。凄いでしょう?
爆撃にも耐えるんですよ
  んな事はぁ、聞いてねぇんだ。


学園長の隣に寮長達も並んで、中を覗き込む。中に居るのは俺だけらしい。

クロウリー
クロウリー
さて、と·····
クロウリー
クロウリー
これより!彼の入学試験を始めます!
  学園長は、指を鳴らした。

────パチンッ!
と、音がすると俺の前で黒いモヤが立ち上る。

何かが来る、と、本能で察し、学園長達に背を向けて構える。

クロウリー
クロウリー
試験内容は至って、シンプル·····倒せば良いのです
クロウリー
クロウリー
「あれ」をね
  黒いモヤが晴れたと思うと、立方体の3分の1をも埋め尽くす巨体があった。

長い尾鰭で、空中を泳ぐように動いている。形的に言ったらサメに近い。
使い魔を操り、極度の魔物ヲタクが集まる第3騎士団の者達ならすぐに分かるのだろうが、俺には残念ながらそれ程の知識を持ち合わせていない。
クロウリー
クロウリー
先日、学園の周りで捕獲した魔獣です
クロウリー
クロウリー
ウチの生徒を食べようとしたので、捕まえて置いたんですが·····まさかここで役に立つとは
_@_
··········
カリム
カリム
うわっ!何だコレ!?
レオナ
レオナ
おいおい、冗談抜きでアイツ死ぬぞ?
アズール
アズール
僕達ならまだしも、彼はまだ魔力を得たばかりなのですよ?
クロウリー
クロウリー
だったら、リタイアすれば良いだけの事·····。いつでも言って構いませんからね。ただしその場合は退学ですけど
  ·····なるほど、これは入学試験と護衛としての試験も含まれているのか。だったら、こんな大型魔獣を出したのにも頷ける。
クロウリー
クロウリー
あ、出来たらで良いんですが魔法っぽい攻撃とか出来たらして貰えます?最悪、身体強化、で通しますが
  そう囁く学園長に、面倒な注文を付けやがる、と思ったものの、入学試験でもあるから仕方ないか。

俺はコチラを見てくる寮長達を眼球だけ動かして見ると、目の前の魔物に向き直る。
(なまえ)
あなた
学園長、一つ聞く
クロウリー
クロウリー
はい、何ですか?
  俺はポケットから掌サイズの剣のストラップを取り出しながら学園長に尋ねた。
(なまえ)
あなた
俺はあれを捕獲するのか?
それとも殺せば良いのか?
クロウリー
クロウリー
殺生は問いません
(なまえ)
あなた
了解
  ならば、得意分野である。

俺はストラップのポンメル柄頭部分を押す。
押した所が緑色に発光すると、先程とは打って変わって掌に一気に重みが加わる。

俺の手にはストラップをそのまま大きくした俺の相棒·····バスターソードがあった。
(なまえ)
あなた
·····すぅー·····
(なまえ)
あなた
第7騎士団
ソルジャー部隊、魔物討伐担当。
────名無し、参る
  俺は騎士団の礼儀作法として、戦闘に入る前に自分の名を名乗った。



✯ ✯ ✯ ✯ ✯


ヴィル
ヴィル
ちょっと大丈夫なの?あれ·····
レオナ
レオナ
さぁな
イデア
イデア
リアルスプラッタはマジで勘弁して欲しいんですが·····
リドル
リドル
··········
  リドルは壁に手を当てて、中を覗き込む。
名も知らぬ青年は、バスターソードを下ろしたまま鮫の様な魔物を、ジッ、と見ている。
リリア
リリア
おや、何やら音がしたと思ったら·····
ヴィル
ヴィル
あら、来たの?
リリア
リリア
クフフ、面白そうだったからの
  リリアが小さく笑って、寮長達の間に入り、結界の中の青年を見る。
リリア
リリア
·····ふぅむ。学園長も酷な事をする
  状況を察したのか、リリアは顎を擦りながらそう呟く。

リドルも、確かに、と頷きたくなる。この学園の上級生や、寮長クラスの者達ならば倒せる可能性は高い。
だが、青年はつい数刻前に魔力を得たばかり。勝算はほぼ無いと言ってもいい。
リリア
リリア
だが·····何故だろうな?
リリア
リリア
わしの目に映るあやつは、何も恐れていない様に見える
  青年は何をするのか決めたようで、鮫の魔物に向かって足を踏み出した。

その様子を、リリアはニンマリと口角を上げて見守る。



✯ ✯ ✯ ✯ ✯


俺は鮫(名前分からないので鮫というあだ名にした)に向かって歩く。

普通に。何も考えずに。

_@_
··········?
  鮫が俺に警戒して、顔を伏せてくる。
息が荒い。俺を食べようとしてるのだろう。
鮫が目と鼻の先と言えるほどに近づくと俺は──





────グシャッ!!!
俺は鮫の片目を剣で潰した。

俺が急いで剣を抜いて、鮫から離れると鮫が体を揺らしながら鋭い咆哮を上げる。

すると、尾をビタンビタンと振り回し始める。これだけ大きく振られると一切動けないので·····。
俺は鮫の下を駆け抜けると、屈んでから一気に飛び上がる。

そして、空中で回転しながら一気にバスターソードを振り下ろす。
スパッ!と、簡単に尾が切れて鮫から離れる。


尾の付け根を切ったので、出血量が多い。
返り血を結構被ってしまった。


ズシンッ!!!と、鮫が尾と共に地面に落ちる。
(なまえ)
あなた
さて、もうこれで倒せるが·····
  倒した魔物は本部に持って帰って研究材料などに使用するので、外傷を作らないよう、首を削ぎ落とすのが1番ベストなのだが────。
(なまえ)
あなた
魔法っぽい·····か
  まぁ、持って帰る訳でも無いので、外傷とかは今は気にしなくても良いか。
俺はバスターソードの鍔の円形部分の蓋を開くと、腰元のベルトに着けていた赤色の水晶を一つ入れた。
これは友人に特別に作ってもらった、魔法を込めた水晶だ。性能は保証しよう。

目の前には尾が無くなって身動きが取れず、床で身をよじらせながらも俺に向かおうとする鮫が居る。
_@_
フーッ!フーッ!
(なまえ)
あなた
·····装着セット
  蓋を閉じると、カチッ、と完全に閉まった音が聞こえる。
俺はグリップを両手で握ると、トリガーに人差し指をかける。

勢いよく掛け出すと、鮫の胸元に飛び込む。
片膝を着いて鮫の胴体の上で着地すると、剣を心臓部分に一気に差し込む。

鮫がまた、一つ咆哮を上げた。ビリビリと、腹に来る大声である。
鮫が苦痛で体をよじらせるが、膝で抑えてバランスを崩さない。

俺は同時に、強くトリガーを引いた。
(なまえ)
あなた
発動ブレイク!!!
  トリガーを引いた事で、魔法を込めた水晶が破壊され剣先から外へと出ていく。

ゴウッ!!!!と、鮫の心臓内部から炎が燃え上がった。
爆風と、水晶を破壊した事によって起きる反動が同時に襲いかかる。

何とかそれに耐え、俺は剣を抜くと急いで体を離す。
鮫はもう息絶えたのか、ピクリともしない。


俺は頭の血を拭うと、鮫に手を合わせる。
魔物と言えど、その命を奪ってしまった事には変わりない。
鮫はパチパチと音を立てながら、炎の中に完全に埋まってしまう。

(なまえ)
あなた
·····意外と威力高かったな
  アイツに送るレポートに書いておくか。きっと、礼金を送るより喜ぶ事だろう。

そんな事を考えながら、バスターソードのポンメル部分を押す。
今度は先程とは逆で、バスターソードが小さくなり、俺の掌に収まった。



✯ ✯ ✯ ✯ ✯

ヴィル
ヴィル
え……
イデア
イデア
ウソでしょ·····
リリア
リリア
これは、これは。予想を越えてきた
  寮長達は口をポカン。と開けてる中、リリアは楽しそうに笑っている。

アズール
アズール
まぁ·····魔法は·····使ってましたね
リドル
リドル
魔法と言うか、ほぼ物理攻撃だった気がするけどね····
クロウリー
クロウリー
まぁ、良いじゃないですか。
試験は合格。今日から彼もNRC生です
  クロウリーが、指を再び鳴らすと結界が綺麗サッパリ消える。

クロウリー
クロウリー
とは言えども、君の魔力は不安定な状態·····普段は使えないですからね
  クロウリーは説明風に言うが、それも嘘だと知ってる青年は何とも言えない表情になっている。
クロウリー
クロウリー
寮は判断できないでしょうし·····
少し古いですが、あそこの寮を提供しましょう
クロウリー
クロウリー
君も今日からNRC生です。
よろしくお願いしますね。えっと·····
  クロウリーはその時に気づく。青年の名前を知らないことに。
彼の上司であるシリルも彼の事を見た目で指していたので、名前を聞いていなかったのだ。

クロウリーの様子に気づいた青年が困った様に微笑む。
(なまえ)
あなた
·····俺に名前はありません
(なまえ)
あなた
なので、好きな様に呼んでください
クロウリー
クロウリー
え?名前が無い???
(なまえ)
あなた
はい
  クロウリーが面食らって、固まってしまう。

そこで、リリアが助け舟を出した。
リリア
リリア
お主が今まで何と呼ばれて来たのか、もし良かったら教えてくれないかの?わしらも呼び方に困るからな
  リリアの言葉に青年は考えるように顔を俯かせる。
(なまえ)
あなた
ギル…?
クロウリー
クロウリー
「ギル」?
(なまえ)
あなた
あだ名ですよ。
有罪ギルティ」から取って、ギル
(なまえ)
あなた
·····あ
  青年は慌てて口を抑える。

流石に名前の由来が「有罪」など、言う方も気が病むかもしれない。
配慮が足りてなかった、と青年は反省した。

名前の由来の事件は伏せるとして、仮入団時に青年は「有罪ギルティ子供チルドレン」と、言う異名が着いていた。

その名残で言葉に悪意は無いものの、皆が「ギル」と、呼ぶようになった。
リリア
リリア
他には無かったのか?
(なまえ)
あなた
他は·····「あなた」とか
(なまえ)
あなた
この名前に、特に意味は無いですけど
リリア
リリア
そうか、あなたか
  良い名ではないか、と青年曰くあなたはリリアから褒められる。
あなたはリリアを女性と間違えた事を心の中で謝罪しつつ、お礼を言った。

クロウリー
クロウリー
では、皆さん。今度こそ!
入学式は終わりです。
あなた君は私に着いてきてください。寮に案内しましょう
  学園長のその声を合図に皆は解散した。




❯❯❯❯ ……To be continued