莉犬目線〜
そんなことをジェルくんが聞いた。
なんにもないって言ったら嘘になる。
なんでかは知ってる。俺がボーッとしてたからだろう。でも、このままだと何を答えればいいかわかんない。
それに俺が………を好きなんて言ったらダメだと思う。
そうやってニコッとするジェルくんは少しかっこいい。
つい、教えそうになる。
ジェルくん…。少し悲しそうに見える。
教える!ジェルくんなら大丈夫!
そう言った俺に少し驚いていた。
言わないと引きずるままだし…。
そんなジェルくんの言葉にうるっときてしまう。
ずっと一人で抱えた片想い、やっと誰かに話すことができた。しかも、優しい言葉をくれた。
ジェルくん、ありがとう!
あなたの下の名前にも伝えようかな。これから頑張るよ!
るぅと先生への思いを…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。