第2話

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2020/07/12 00:58
始まりはあの日だった。
空に星が輝く夜。
私と君は出会ったんだ____
・・・━━
この日は何故か家に帰りたくなくて、とぼとぼと道を歩いていた。
家族はお父さん、お母さん、私。
お父さんは一年前から家に帰らない。
お母さんは家には帰ってきてもいつも夜中に帰ってきている。
だから夜に家に帰らなくたって誰にも心配なんてされない。
『…はぁ…』
と小さくため息をついてそっと空を見上げた。
そこには満天の星が輝いていた。
『綺麗、だな…』
そんなことをつぶやいた瞬間。
ドン!
『…っ』
誰かとぶつかって転けた。
?「す、すみません…っ」
私は差し出されている手を見てそっと手を伸ばした。
?「大丈夫ですか?」
『大丈夫、大丈夫! 私ちゃんと前見てなくて…こっちこそごめんね』
?「じゃぁお互い様ですね、俺もちゃんと前みてなかったから」
君はそう言いながら私を立ち上がらせてくれた。
『ありがと、じゃぁね』
私は短くお礼とお別れを告げてその場を離れた。

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