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第12話

情報
「ルカ、この方の本名は?」


にこやかにチップを差し出し、ルカに持たせる。



「エドガー・ギガンゼルです」



ギンジールじゃないようね。
ギガンゼル……か。聞いたことがあるわね。



「そう。ありがとう」
「貴女はどうやら意地の悪いお方のようだ」
「交渉相手の本名くらい知っておきたいものではありませんか?」



偽名を使った手前、会話の主導権を握りにくくなった。


テンポを乱すのにも有効だ。


場の空気を入れ換えるという意味でもルカを連れてきて良かった。
「それで本題なのですが……まぁ、単刀直入に言えば、私と仲良くしていただきたいのです」
「……へぇ」



金貨を手で弄びながら微笑む。


「仲良くとは……具体的に聞いても?」



えーっと。
私は自分を奴隷として売ってほしくないだけであって。

具体的にというか。



ここで馬鹿正直に自分が売られたとき融通を……と言っていいものだろうか。
この国では奴隷売買が違法だと明記されていない。


厳密には違法ではないのだ。




だから国が私をこいつらに渡したわけで。


でも、自分が良ければ他はどうでもいいのだろうか。

他にも売られている子達がいるだろう。
こんな回りくどいことしないで夜狼を潰す……? でも私にそんな力はない。
「奴隷売買をやめてほしい」
迷った末に出した答えがこれだった。



私もみんなもハッピーだよね。


「奴隷売買で出たはずの利益は私が出す。だから──」


「ちょっと待ってください」


エドガーはフェロモンため息をつくと、真っ直ぐ私を見つめた。




「つまり貴女は慈善活動のためにこのようなことを?
それならば、夜狼ごと潰せば良いのでは? だって貴女はドランバーグ様でしょう」



理解できません、と言った。



未来の私が売られる予定なんでそれをなかったことにするために……と言っても信じてもらえないだろう。


さらに、表向き奴隷商売はしているということにしてほしい。
そうでなければ、追放が他の組織経由で売られてしまう可能性があるからね。
「……私が要求することは二つです。奴隷商売から足を洗うことと、周りから見ると奴隷商売を行っているように見えるようにすること」
「詳細を話すつもりはないのですね」
「えぇ。私はあくまでお金での契約をしたいのよ。おいそれと他人に言うわけがないでしょう」
よほど予想外だったに違いない。


先程まで余裕綽々だったのに、わかりやすく困惑している。


──が。