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第28話

友達から恋人へ?
「……頭が痛い」
「奇遇だな! 俺もだよ!」


ヤケになったようにギルバートが喚く。


「……ありがとう。凄く、助かる」


ギルバートに言うのは癪だけど。でも、確かに私はギルバートの友達宣言に救われ──
救われ──?

「ああああああああっ もしかして何も解決してない!?」


そもそも私はギルバートと距離を置こうとしたのだ。
自分のためにも、ギルバートにためにも。
仲良くなってどうするよ!
雨降って地面というか友情が固まっちゃったよ!


「……はぁ?」


ギルバートが訝しげな表情になる。


「うーん……いやでも、まぁ……ギルバートは、まだよわっちいからなぁ」


到底、騎士団長を殺すことなんてできないだろう。
「あぁん!? 喧嘩うってんのか泣き虫!」
「はぁ? 私は事実を言っただけよ! それよりその手をどけてくれる!? 地味に痛いのよ!」


全く。
かわいい私の手首に乱暴をするなんて。
友達でなければ仕返しに足でも踏んでいたところよ。



ようやく解放されて、私は自分の手の無事を確認する。
ふぅっ。傷でもついたらどうするの……よ?


顔を上げると、顔を真っ赤にしたギルバートがいた。

口をパクパクさせ、放心状態で「俺……ずっと握っ……手……細……柔らか……」とかボソボソ言っている。


よく聞いてみれば私の手首が柔らかいだのという独り言……
ん? 柔らかい?


「私が太っているとでも言いたいのっ!?」



怒りに任せて足をふんでやった。


「ギャー!」


ギルバートの本気で痛がる声が響き。
そして私は決意を決めた。


もしも。
もしも──ギルバートが。

騎士団長よりも強くなってしまったら、私は。



ギルバートとの関わりを一切絶とう。
本人にはバレないように、胸の奥に気持ちを秘める。


「……イテテ……」


ギルバートは足をさすりながら、まだぶつぶつ何か独り言を言っている。
「友達……まま…………では…………ない」



あまり聞き取れなかった。
でも推測するに──

「友達のままでは終わらない?」



どうやら正解だったらしく、ギルバートの顔がカッと赤くなる。
さっきとは比べ物にならないほど。
「……ッ、だから! なんでそんなに耳が良いんだよ!」


勘が良かったところが大きいと思うんだけど。
でも、そうね。


「私も同意見ね。私たちは、友達のままじゃ終わらないわ」



──なぜなら、私は。
もう覚悟を決めたから。
ギルバートとは友達でいる。ただし、ギルバートが騎士団長よりも強くなれば。

即座にその関係を絶ち、赤の他人になるのだ。



私は再びギルバートの方を向いて──


「貴方のほうが熱があるんじゃないの?」



完熟トマトも真っ青な赤面で、ギルバートは口をパクパクさせていた。