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第26話

楽しい鬼ごっこ☆
「そんなのはイヤアアアアアアアア!!」


おい。
それはないだろう。



あり得ないだろう。



私は顔面蒼白で首を横に振った。
そんなことをするかもしれないなら、ギルバートとは全力で距離を取るべきだ。


体を鍛えるのは一人でもできるし、
最悪まだ若いのだから、強さ以外のものを活かして手に職をつけることだってできるかもしれない。



「はぁ……まぁいいや。取り敢えず、騎士のところには近寄らない、ってことで」



私は静かに控えてくれていたメリーに寝巻きからドレスに着替えさせてもらいながらため息をついた。
心配そうなメリーだが、こんな風に変なことを口走ることはままあるので、そっとしておいてくれる。

できるメイドなのだ。



誰だ、私の大事なメリーをドジっ子メイドだって言ったの。
「では、どちらへ?」
「うーん、そうね……体は鍛えようと思うから、お庭に行こうかな」


メリーに頼んで、しばらく鍛練はやめる旨を騎士団長に伝えてもらう。


自主練はやめないけど。
私が庭で軽くウォーミングアップをしていると、視線を感じた。


私は、特に騎士団長曰く感覚が鋭いらしく、集中していればある程度視線を感じることができるのだ。えへん。まぁ、だからといって何か得するわけでもないし、日常生活では気づかないこともあるんだけど。


ギルバートの視線だ。


私が来ないのを不思議に思ってやって来たのだろうか。
私が視線を無視していると、ギルバートが木の影から出てきた。


「風邪でも引いたのかと思って来てやったら、元気じゃねぇか」


心配していてくれたのか。
でも、関わらないと決めたのだ。


無視を決め込む私に、初めは眉をひそめていたが、段々と腹がたってきたのか、怒気をこめた言葉を投げられる。

「無視するなよ!」


それでも黙ったままの私に、ギルバートは足音をズンズン鳴らしてやってきた。
うわ。まずい。
私は逃げるように走り出す。
ギルバートが追いかける。



逃げる逃げる逃げる。
逃げる逃げる逃げる。


「はぁ、はぁ、はぁ……」


でも、そもそもの体力が違った。

だいぶマシになってきたが、私は貴族のお嬢様なのだ。



あっという間に捕まってしまう。

手首を掴まれて、軽く引き寄せられた。
私は息を整え、抵抗するも離してくれない。


力が違った。

騎士の鍛練を初めて10ヶ月の年月が過ぎている。
義弟が来るまでもう2ヶ月しかない。
自分の非力さにうんざりした。


「なぁ」


耳元で話しかけられ、体がビクリと震える。