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第6話

護衛騎士
まずは、護衛を選ばなければいけない。


ドランバーグ公爵家はどちらかと言うと文官寄りの一門だ。
勿論、騎士も排出しているが、当主であるお父様が宰相のため、頭脳労働を重視する気風がある。



普通貴族は十二歳から『学園』に通いあれこれを学ぶことになるが、




私は五歳で家庭教師をつけられる予定だった。



英才教育というやつだろうか。
厳しい人じゃないといいな。


……ともあれ、そんなわけだから我が家には騎士が多くない。



勿論、護衛や門番にと幾人か雇っているが。



私の自由にできる護衛騎士となれば少なく、加えて腕のたつ人物でなければならない。




訓練を受けているのだし破落戸に負けるようでは困るが、だからといって大勢で貧民街に行けばお忍びにはならない。



選ばなければいけないのだ。
その上、信頼の置ける人物となれば、数に限りがある。
私は一人の青年騎士を指名することにした。



家を出て庭を抜け、しばらく歩いた敷地に騎士たちのいる館がある。
ドランバーグお抱えの精鋭たちが日々鍛練に励んでいるのだ。



「あのー、ザルク卿はいますか?」



因みに、前までのレベッカは騎士が嫌いだった。

汗水垂らして働く姿が貴族に相応しくないと思っていたのだ。
彼女も大概文官志向である。



「えっ、お嬢様!? なぜ、このようなところに……あ、ザルクですね。ザルクー!」



騎士の一人がやって来る。

ザルク・アドリアス。



彼は珍しい平民出身の騎士だ。

平民が騎士になることは極めて難しく、余程才能がないとなれない。
ザルクの腕前は疑いようがなかった。
加えて、平民なので政治的に面倒くさい事柄を気にする必要がない。


そして──顔が良い。

灰色の髪につり上がった猫のような目、真一文字の口。
いかにも無口な騎士、という感じだ。


前世でならば背も高いしモデルとかいけたんじゃないだろうか。



「少し出かけます。ついてきてください」
「……仰せのままに」
そんなわけで、私はメリー、ザルクを脇に従えお金と菓子折りを持って堂々と……



裏門から出た。
だってお忍びだもの。


バレたらお父様に怒られてしまう。


また閉じ込められるなんてごめんだ。




「レベッカ様、よく騎士の名前なんて知っていましたね」


メリーが驚いて私に囁いてくる。
まぁね。


ザルクは後にヒロインに忠誠を誓う騎士になる。



それだけすごい人物だから覚えていたけど、元々この体は物覚えが良い。

ねぇ、とかお前、とか言っているからわからないだろうけど、騎士じゃなければ使用人の名前を全員言えちゃうのだ。


……誰も知らないだろうけど。