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第3話

家族
「風邪ですね。薬を処方しておきます。お大事に」



医者が去った後、私は両親とメリーと四人きりの気まずい部屋に取り残された。




両親との仲は前にもあげた通り、良いとは言い難い。
でも、昔はちゃんと家族だったのだ。



苦しくてどうしていいかわからなくなる。



「レベッカ様、冷たいお水を持ってきます」



メリーが水を取りに行ってくれるようだ。
……いやいやいや。

メリーいなくなったらこの気まずさ全開の部屋で三人きりだよ。



地獄だよ。




ここにいてほしい、と袖を引けば、メリーは戸惑ったようだがやがて頷いて側に立っていてくれた。
「……そのメイドがお前の家族か」



え?


お父様が開口一番、意味のわからないことを言ってきた。


「お父様……?」



「白々しい娘だ。私には本当の笑顔すら見せない癖に、よく言う」



本当の笑顔。
確かに、両親に嫌われたくなくて上っ面を取り繕ってきた。



その自覚は、ある。


「その利口な表情の下で愚かな親を馬鹿にしているのだろう? 最悪だ。兄ならいつも笑って私に抱きついてきたのだがな」



びくり、と肩が震える。
お父様の目が怖かった。下手をすれば殺されてしまいそうで。
「ははは……そうか、私が怖いか」


お父様は自嘲するように笑う。



「そんなお前に残念な知らせだ。公爵家を乗っ取れると画策していたかもしれないが、お前が公爵になることはないよ。お前の義弟がなるからな」



義弟……?


どういうことだ。

私に義弟なんていない。



「親戚の家に血の濃いやつがいる。それを養子に迎える。お前の居場所はここにはないよ」
──私の代わり、か。


「……っ、あんまりです! だん、」
「メリー」


ダメだ。


メリーまでいなくなっては困る。



今メリーがお父様に楯突けばお父様は嬉々としてメリーを解雇するだろう。


「ふ。賢明だな」
「……」



お父様はお母様と連れだって、部屋を出ていった。


「レベッカ様、信じられません! 家族に、あんな……」



私のぶんまでメリーが怒ってくれているようで嬉しい。
体もだいぶ楽になってきたし、今までより多少家族関係が拗れたところで元々破綻していたのだ。



大差ない。
「養子に迎えるのは早くても数年かかるわ。公爵だもの。様々な枷があるし、契約も大変なのよ。それまでに、両親と仲直りすればいい」




公爵は、王家に次いで権力を持つ貴族だ。
その家が養子を迎えると言ってホイホイ迎えてちゃ権力バランスが崩れる。



必然的にゆったりとした契約進行になるはずだ。