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第41話

取引をしましょう? 2
「でもね。それもこれも、救済のためだよ」


救済?


アランが、ぱちん、と指を鳴らした。

すると、奥の部屋からぞくぞくと奴隷がやってきた。
見知った顔はいない。国から連れてきた奴隷たちか。


「レベッカ嬢。貴女もわかるはずだ。貴族というものは、総じて傲慢であり、退屈を持て余し、物への攻撃をしたいと望む。誰かの上に立つ優越感というのは堪らないからね」


両親の。
私に対する辛辣な扱いが脳裏をよぎる。



「貴女もどうだね? 安くしておくよ。一家に一人でも奴隷がいれば、便利だし……ストレスも、自分に向くことはない」



……ッ!!!!
意地の悪い顔をしたアランに、目が回るほどの怒りを覚えた。
こいつ。私が親から虐げられていることを知っている。
「仕方ないんだ。誰かが犠牲にならなければならない。救済のために。それに、貴女のご両親も救済に理解を示してくださっている」


港を使う許可証。
両親のサインを見せつけられ、私は息を呑んだ。


「詰めが甘いんですよ、ご令嬢」



まずい。まずいまずい。──考えろ。
動揺は顔に出さない。


「あら? アラン殿下、港を使う許可証、それは本当に私の両親が殿下の言う『救済』に荷担している証拠にはなりませんわ。だって我が家には奴隷がいませんもの」



むしろ彼らは奴隷のようなものを嫌う傾向がある。
不潔だとか言うイメージを持ち、自らの美的感覚で対処しているためだ。


騎士すら遠ざけたがる二人の考えはよくわからない。


おそらく、港を使うことを許可したのは、デファレストとの交流のためであり、奴隷制度の応援のためではない。もっとも、二人なら少し民が減ろうが気づかないだろうが。

「ふむ……確かにね。どうしたことだろう」


よし。今は優位性は同じくらいだ。
ここで一気に詰めたいところ。
使えるカードはあるかな?


口を開きかけた私を遮るように、再びアランが指を鳴らす。


「奴隷。僕が望むことをしなさい。成功すれば褒美は弾む」


は?
初め、何を言ったのかわからなかった。

だがこれは命令。
奴隷たちが、各々アランのしてほしいことを考え、そして──私に、襲いかかってきた。



──ザンッ!!

目にも止まらぬ速さで、ザルクが奴隷三人の意識を刈り取った。



ふむ。
それとまだ。


「ザルク、天井よ」
私の言葉から一瞬。
ザルクが天井からおりて襲いかかってきた奴隷を薙ぎ払った。


「……失敬。出来の悪い奴隷たちが失礼した。紅茶を持ってくるよう命令したつもりだったが」


「いいえ? できが悪いのは殿下のせいじゃありませんもの。
殿下が気に病むことではございません」


嘘ばっかり。

私たちを始末するつもりだったくせに。