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第5話

交渉道具
熱も下がり、部屋にも閉じ込められることがなくなった私は、早速。


「それじゃあメリー、出かけてくるわ」
「どこへですか?」
「貧民街へ」


メリーはたっぷり三秒フリーズして……



「っ、へっ!? レベッカ様、ダメですダメです、危険ですよぉーっ!」



大慌てで私のことを引っ張ってきた。



公爵令嬢が貧民街に遊びにいく。
とても自然なことだ。


何かおかしいことがあるだろうか。いや、ない。




人気絶頂の多忙アイドルが近所の八百屋でバイトしているくらいに自然なことだ。


「それでも行くの」



正直、未来のことは予想がつかない。
恋しちゃダメだとわかっていても、王子を好きになってしまうかもしれないし。



してはいけないとわかっていても、ヒロインをいじめてしまうかもしれない。




ならば、先手は打てるところから打っておくべきだ。
そこで私が思い付いたのは、私が引き渡される男たちの懐柔だ。



追放されるのは甘んじて受け入れたとしても、売り飛ばされるのは阻止しよう。
そのために彼らにゴマをすって仲良くなっておくのだ。


へい、追放されたときはよろしく頼みますわ、とか言って、黒い取引をしておく。




これぞ完璧な計画と言える。



そのために必要なことは護衛とお金。

会うときに身を守る手段と交渉の交換条件だ。
だが、どんとお金を渡すだけでは足りない。



何か継続的な利益をあげられれば、使うとなくなるお金よりもよほど良い効果になるが……かといってほいとあげられる鉱山は個人所有していない。



お父様なら持っているだろうけど、私ではあげられない。



それに、あちらが利益だと感じてくれないといけないからね。



今考えるのは難しいから……お金と護衛と……それに、菓子折りでも包んでおくか。


甘いものは気分を落ち着かせ満足させてくれる。
交渉には必須なものだと、どこかで聞いた気がするし。



あと、自慢だけど私って容姿はかなり良い。



美少女ヒロインと張り合えなくちゃいけないからね。



そこらの娘なんて目じゃないほどに愛くるしいのよ。
いざとなれば、私の色気で納得してもらおう、うん。
私の色気はすごいんだからね。



うっふん!