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第30話

第三部 ルカとギルバートとフェロモン男
「ちょっと、今日は稽古はなしにするわ」
私がそう言うと、ギルバートは目に見えて不機嫌になる。
月に一度はザルクとメリーを連れて夜狼に行ってるんだけど、
場所が場所だし、

低位とはいえ貴族のギルバートを連れて行くのは気が引ける。



それに。
ギルバートは敵なのだ。

今は友達だけど、いずれ私がヒロインに仇なす者になれば、彼は迷いなく私に剣を向けるだろう。



とっておきのカードである夜狼について知られるわけにはいかない……の、だけど。





──


どうしてこうなった。


「おい、レベッカ! お前、こそこそこそこそ剣をサボって男と会っていたのか!」

「ねぇレベッカ。これどういうこと? なんで俺こいつに睨まれてるの? 俺の方がこいつよりも先にレベッカと仲良くなったよね? ね? なんとか言ってよ」
ルカに出迎えられ、しばらく話していると



こっそりついてきたらしいギルバートが物影から飛び出して
私とルカを引き剥がしたのだ。


メリーとザルクは私たちが仲良くじゃれあっているように見えるらしく(二人の目は節穴なのかもしれない)この二人を抑えられる者がゼロ、というわけだ。



「「レベッカ!」」



「あぁもううるさいわね!? 斬るわよ!」


持ち歩いている短刀をひゅん、と取り出せば二人とも押し黙った。


ふん。
「とりあえず、ギルバートは帰ってくれない? 私、ルカと大事な話があるの」

「は? そいつと仲良くいちゃいちゃするのかよ」

「いちゃいちゃなんてしないわよ! ね、ルカ! ……ルカ?」



ルカの方を見るけども、ルカの目は虚ろで顔は赤く。



「……いちゃいちゃ? いちゃ……いちゃいちゃ……」



何を想像してんだか。


「二人ともそういう関係じゃないし、お互いに恋愛感情は一切ないから!
剣をサボってるわけじゃないの!」


どんだけ剣が好きなのよ。
生半可な気持ちはどうの~って言っていたし、私も剣は好きなのでわからなくもないけど。


「お前はなくてもそっちはあるかもしれないだろ!」
「ちょっと疑われてるわよルカ! しゃきっとしなさい!」

「……レベッカ? レンガ? レンガと手を繋いで……」

「レンガに手なんてないわよ」


ルカ、まだいちゃいちゃ発言を引きずっているのか。
「おおっと、レベッカ嬢はモテモテだね」



ゆらり、と。

どこからともなくやってきた。
夜狼番長、エドガーが。

いつものようにフェロモンを撒き散らしながら。