サナとグクは電車に乗り、隣町の遊園地に行くことにした
プシュー
電車の中は夏休みシーズンということもあり朝の出勤ラッシュ並に混んでいた
2人は向き合う形で電車に乗った
キキー
ギュ
グクはサナの手を握った
sanaside
なんてそんなこと考えていたら
さわさわ
サナは自分のお尻に違和感を持った
すると後ろから
男の人の荒い息遣いが聞こえた
そしてサナはお尻の違和感は確信に変わった
サナは声が思うように出なかった
さわさわ
サナは声が出ないようにグクと繋いでいる反対の手で口を抑え下を向いた
男が耳元で喋りかけてきた
サナは無意識にグクと繋いでいた手を強く握ってしまった
グクは痴漢に気づいていなかった
サナは今しかないと思って、自分の口にあった手を取り
上目遣いでグクにすがるように言い放った
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!