るぅとくんが予約してくれたレストランは席がベランダで、東京の景色が一望できてとても綺麗だった。
さっきから感じていたけど、るぅとくんの様子がレストランに入ったぐらいからおかしかった。
妙にソワソワしているというか…
でも、料理が運ばれてくると、美味しそうにご飯を食べて、いつものように会話がはずんだ。
さっきからふとした瞬間に真顔になるるぅとくんが気になっていた。
るぅとくんは食べるのをやめて、私の目をじっと見てきた。
何?この感じ、怖い…、
るぅとくんは小さな箱を私の前に出して、その箱を開けた。
目の前には輝かしいダイヤモンドの指輪
るぅとくんの真剣な瞳が私のことをじっと見つめていた。
でも、だんだん私の目には涙が溜まってきて、視界が揺らぐ。周りがよく見えない。
早く、返事を…
浅くなりかけている呼吸を整え、
るぅとくんの目からは涙がこぼれていた。
本当に今日は大切な日になって、こんなに嬉しい気持ちで満たされた日は初めてだった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。