るぅとくんの弟は、最近すごい頻度で家に来るようになった。それも、兄であるるぅとくんがいない時間に。
私達は、大分打ち解けて、仲良くなった、気がする。
そう言って、私の頬を撫でた。
るぅとくんの弟は、清楚な感じの正統派王子様系かと思いきや、こんなふうに、少しチャラいところがあった。るぅとくんのSっ気のある感じに少し似てるところがある。
なんかるぅとくんに秘密で会ってるみたいで、…いけないことしてるみたいで嫌だなぁ…
言うべきなのかなぁ…
そうだよね、るぅとくんにも自分の弟に会って、悪い気はしないだろうし…
少し経って、るぅとくんが帰ってきた。
明日もるぅとくんの弟くんは来るのかなぁ…
そして、次の日、るぅとくんは予定通り朝に出ていった。
最近、二人だけの時間が少ないなぁ、
少し寂しい
すると、ラインの着信が来た。
それまでに掃除機をかけておかないと…
仲良くなったとはいえ、彼氏の家族なんだし、まだある程度緊張する。自分の悪い印象を与えたくない。
今日は、コンビニ弁当でお昼をして、掃除機をかけた。
予定通り、るぅとくんの弟はお昼すぎに来た。
そしていつも通り、他愛もない会話で2時間程度が過ぎた。
るぅとくんの弟は私にじりじり近寄ってくる。
私はいつの間にか押し倒された。
あと数センチでキスしそうになったとき_
ガチャ
るぅとくんが予定より1時間早く帰ってきた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。